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■精神科で隔離、2014年度に初の1万人を超す 身体拘束も過去最多 [健康ダイジェスト]




    
 精神科病院で綿入り帯や衣類などを使用して手足をベッドにくくり付けるなどの身体拘束や、施錠された保護室への隔離を受けた入院患者が2014年度にいずれも過去最多を更新したことが、厚生労働省の集計で明らかになりました。
 隔離は調査が始まった1998年度以来、初めて1万人を突破しました。
 精神保健福祉法では、患者が自らを傷付ける恐れがある場合などに精神保健指定医が必要と判断すると、身体拘束や隔離が認められていますが、人権侵害を懸念する声も上がっています。激しい症状を示す場合がある入院3カ月未満の患者の増加が背景にあるとの指摘もあり、厚労省は定例調査の質問項目を増やして、より詳細な実態把握に努めます。
 2014年度の保護室への隔離は1万94人で、前年度に比べ211人増えました。都道府県別では、東京都が683人と最も多く、大阪府が652人と続きました。
 身体拘束は1万682人で、前年度に比べ453人増えました。最多は北海道の1067人、次いで東京都の1035人でした。調査項目に身体拘束の状況が加わった2003年度以降、増加の一途をたどっています。
 身体拘束を受けた入院患者を形態別にみると、ほとんどが医療保護入院で、2014年度は8977人でした。複数の精神保健指定医が「自傷他害の恐れあり」と判断し、入院を強制された措置入院の患者は232人にとどまります。
 医療保護入院は、自傷他害の恐れはないものの、入院治療が必要と精神保健指定医が判断したのに、本人が同意しない場合に、家族らの同意を得て強制的に実行されます。
 厚労省は毎年度、精神科病院の6月末時点の状況を聞き、2014年度は1599カ所について入院患者数や病床数などを調べました。入院患者全体は減少傾向で、2014年度は29万406人で、前年度に比べ7030人減りました。
 厚労省は今後の調査で、患者の年齢や疾患の内容なども聞いて、身体拘束や隔離が増えている要因を分析したい考えです。
 杏林大学保健学部教授の長谷川利夫さんは、「身体拘束や隔離は患者の人権侵害につながる恐れがあるので、可能な限り減らそうと考えるのが当然だ。しかし、身体を簡単な操作で縛る拘束具の普及もあってか、安易な方向に流れる医療者が増えているように思う。拘束や隔離で治まる症状ばかりではないのに、これを治療と考えているかのような医療者もいる。患者の人権について、もう一度考え直さないといけない」と指摘しています。

 2017年3月21日(火)
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