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■用語 アミロイド肝 [用語(あ行)]



[天秤座]肝臓にアミロイド線維蛋白が沈着することが原因で、肝障害が生じる疾患
 アミロイド肝とは、ナイロンに似たアミロイド線維蛋白(たんぱく)と呼ばれる異常な蛋白が肝臓に沈着することが原因で、肝障害が生じる疾患。
 アミロイド線維蛋白は心臓、腎臓(じんぞう)、肝臓、脳、消化管のどこかに限局して沈着するほか、全身に沈着して臓器障害を起こすことがあります。前者を限局性アミロイドーシス、後者を全身性アミロイドーシスといいます。
 肝臓は特にアミロイド線維蛋白が沈着しやすい部位で、沈着した肝臓をアミロイド肝といいます。通常は、全身性アミロイドーシスの一部分症として発症します。
 アミロイドーシスは原因となる蛋白質が凝集して、アミロイド線維蛋白として臓器に沈着することで発症しますが、アミロイド線維蛋白にはいくつかの種類があります。肝臓に沈着するアミロイド線維蛋白は、免疫グロブリン(ALアミロイドーシス)あるいは血清アミロイドA(AAアミロイドーシス)という蛋白質に由来します。ALアミロイドーシスでは25〜80%、AAアミロイドーシスでは15%程度、肝臓にアミロイド線維蛋白の沈着がみられます。
 また、血清アミロイドAに由来する続発性アミロイドーシス(AAアミロイドーシス)では、関節リウマチなどを基礎疾患としてアミロイド肝を発症します。
 最も多い症状は、肝臓がはれる肝腫大(しゅだい)ですが、肝障害は軽度です。腫大した肝臓は、ほかの原因で腫大した肝臓に比べて非常に硬いことが特徴で、「岩のような硬さ」とも表現されます。その割に、肝臓を押して出る圧痛はありません。
 全身性アミロイドーシスになると、倦怠(けんたい)感、むくみ、蛋白尿、貧血、低蛋白血症、巨舌がみられます。腎不全、心不全、または感染症を併発すると、死に至ることがあります。
 遺伝性のもの、原因不明のもの、多発性骨髄腫や膠原(こうげん)病、がん、腎不全による長期透析に伴って起こるものがありますが、免疫グロブリンなどの原因となる蛋白質からアミロイド線維蛋白が過剰に体内でつくられ、沈着する仕組みは不明です。
 アミロイド肝はほかの肝臓病と同様に、発症しても自覚症状が出にくいため、多くはネフローゼ症候群や心不全などほかの臓器の症状で、全身あるいはほかの臓器のアミロイドーシスとして発見され、その後全身の精密検査を行ってアミロイド肝も診断されます。高頻度に肝腫大を起こすため、肝腫大で発見されることもあります。
 ほかの臓器の症状があり、肝臓の腫大に気付いたら、すぐに内科、消化器科、消化器内科の医師に相談してください。
[天秤座]アミロイド肝の検査と診断と治療
 内科、消化器科、消化器内科の医師による診断では、直腸生検か肝生検によって、直腸や肝臓の組織にアミロイド線維蛋白の沈着が証明されれば、アミロイド肝と確定します。
 出血の危険性が約5%ほどありますので、肝臓の組織をとって検査する肝生検は積極的には行われていません。生検できた場合は、特殊に染色をし、アミロイド線維蛋白の沈着を証明していきます。同時に、特異抗体を用いた免疫組織化学染色という方法で、沈着しているアミロイド線維蛋白の種類を決めていきます。
 肝臓の検査だけでなく、全身の精密検査を行うこともあります。血液検査では、血清アルカリホスファターゼと呼ばれる酵素の数値がやや標準より高い数値になり、肝臓病特有の黄疸(おうだん)の症状が出た場合は、かなり進行した状態で予後不良です。画像診断では、肝臓の腫大が認められてもあまり特徴的な所見はありません。
 鑑別診断としては、肝腫大を示すすべての肝疾患が挙げられますが、中でも肝硬変、びまん性肝細胞がん、あるいはヘモクロマトーシスなどの代謝性肝疾患などを除外する必要があります。
 内科、消化器科、消化器内科の医師による治療では、全身性アミロイドーシスの一部分症なので、一般には全身性アミロイドーシスとしての治療を行います。
 続発性アミロイドーシス(AAアミロイドーシス)では、新たなアミロイド線維蛋白の産生を抑制するために、原因となる関節リウマチなどの基礎疾患を治療することが原則です。最近は、末梢(まっしょう)血幹細胞移植(PBSCT)を用いた大量化学療法の有効性も報告されています。
 肝臓にできたアミロイド線維蛋白は溶けにくい性質であるため、いったん沈着したら除去することは非常に困難で、それぞれの症状に対しての対処療法が主体となります、ただし、ジメチルスルホキシド(DMSO)という薬剤は、アミロイド線維蛋白を溶解する可能性が示唆されていて、内服や皮膚外用塗布として用いられています。
 すでにほかの臓器にアミロイドーシスの症状が出ていて、さらに肝臓にも症状が出ている場合は、治療に長い時間がかかります。全身性で進行が極めて速い場合は、命にかかわるような危険性もあります。黄疸の進行など肝不全の兆候がある場合は、肝臓移植も勧められています。




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