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■1週間に熱中症で9人死亡、搬送は5681人 9日の搬送は626人 [健康ダイジェスト]





 総務省消防庁は8日、全国で7月31日~8月6日の1週間に9人が熱中症で搬送され死亡したとの速報値を発表しました。搬送者数は5681人で、前週から366人増えました。
 集計によると、死亡したのは山形県、群馬県、新潟県、愛知県、京都府、兵庫県、岡山県、広島県、佐賀県の各1人。3週間以上の入院が必要な重症者は118人、短期の入院が必要な中等症は1786人でした。65歳以上の高齢者は50・7%を占めました。
 都道府県別では、大阪府の525人が最も多く、兵庫県365人、愛知県338人と続きました。
 また、9日は台風5号が伴った暖気の影響で、東日本から西日本の太平洋側では広い範囲で気温が上昇し、各地で今年の最高気温を記録し、熱中症の症状を訴えて搬送された人は夕方までの集計で、626人に上りました。
 気温や湿度などを基に環境省が公表している熱中症の起こりやすさを示した「暑さ指数」を見ると、9日午後1時時点で、関東のほとんどの地点で「危険」「厳重警戒」となっています。環境省は、暑さ指数が「危険」になっている場合、外出はなるべく避けるよう呼び掛けています。
 今年の夏は、部活動中などに熱中症になるケースも相次いでいて、死亡事故も起きています。6日には、北海道札幌市にある北海学園大学の男子学生がアメリカンフットボールの練習中に倒れ、意識不明の状態で病院に搬送されましたが、間もなく熱中症の疑いで死亡しました。気象庁によると、6日の札幌市の最高気温は29・2度でした。
 熱中症のサインとしては、「めまいや顔のほてり」「筋肉のけいれん、筋肉痛」「体のだるさや吐き気」といった症状があるので、まずは、これを見逃さないことが大切。こうした症状が出た場合、涼しい場所で体を冷やしたり、水分とともに塩分を補給したりするなどの対応が必要となってきます。
 ただ、これらの症状が出たとしても、病院に行ったり、救急車を呼んだりするほどなのか、自分では判断が難しい場合もあります。例えば東京都では、「#7119」に電話すると、東京消防庁の救急相談センターにつながり、相談に乗ってもらえるので、こうした機関を利用してみるのもいいでしょう。
 近くに熱中症の症状を訴える人がいた場合、まずは意識がしっかりしているかどうかを確認し、言動がおかしかったり、意識がなかったりした場合は、すぐに救急車を呼ぶことです。その上で涼しい場所に運び、ベルトや衣服を緩めて寝かせ、救急車が来るまでの間は、太い血管がある首筋や脇の下、足の付け根などを氷や冷たいペットボトルなどで冷やすと、より体を早く冷やすことができます。
 熱中症は屋外だけでなく、屋内でも注意が必要。東京都監察医務院によると、昨年、東京23区で熱中症で死亡した25人のうち、19人が室内で死亡しています。室内でも、水分や塩分をこまめに補給することや、暑さを我慢せず、冷房を使うことが大切となります。
 熱中症対策は昼間のことだけではないので、夜も油断せず、寝る前に水分をとるなどして、対策を万全にすることが大事です。

 2017年8月9日(水)
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■受動喫煙、大動脈疾患で死ぬリスク2・35倍に 筑波大が4万8000人を追跡調査 [健康ダイジェスト]





 タバコの煙や他人が吐き出した煙を吸い込む受動喫煙の頻度が高い人は、ほとんどない人に比べ、大動脈解離など大動脈の疾患によって死亡するリスクが2・35倍になるとの調査結果を、筑波大学などの研究チームがアメリカの専門誌オンライン版に公開しました。
 受動喫煙と大動脈の疾患との関係を研究したのは、世界で初めてといいます。受動喫煙が肺がんや心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高めることはすでに指摘されていますが、大動脈の疾患との関係性については、これまで解明されてこなかったといいます。
 研究チームは1988~1990年当時に、40~79歳だった全国45地区の4万8677人に喫煙や受動喫煙などについて聞き、その後、平均16年にわたって追跡調査を行いました。調査対象者のうち、大動脈が突然裂ける大動脈解離や、こぶのように膨らんで破裂すると大量出血する大動脈瘤(りゅう)で141人が死亡しました。
 非喫煙者を受動喫煙の頻度に応じて3つのグループに分けて調べると、大動脈の疾患による死亡リスクは、家庭で毎日2時間以上か、職場や飲食店などでほぼ毎日受動喫煙している頻度が高いグループが、受動喫煙のほとんどない低頻度のグループの2・35倍でした。高頻度よりも少ないが受動喫煙の環境にいる中頻度のグループと、低頻度のグループとではほとんど変わりませんでした。
 また、受動喫煙の程度を家庭内と家庭外に分けて調べると、家庭内での受動喫煙の影響よりも、家庭外での受動喫煙の影響が大きいとみられることもわかりました。家庭外での受動喫煙は、主に職場や飲食店での受動喫煙であることから、家庭内よりも多くの喫煙者の煙にさらされると考えられ、影響の違いにつながった可能性が示唆されるといいます。
 厚生労働省の調査によると、非喫煙者の約3〜4割が職場や飲食店で受動喫煙に遭遇していることが明らかになっています。厚労省は2019年9月のラグビーワールドカップの開催に向けて、広さ30平方メートル以下のバーやスナックを除く飲食店や公共施設については原則禁煙として、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案を公表していますが、自民党の一部の議員の猛反発にあって、先の通常国会への提出自体が見送られた経緯があります。
 調査を担当したした山岸良匡(かずまさ)・筑波大准教授(社会健康医学)は、「日本は諸外国と比べて、明らかに受動喫煙対策が遅れをとっている。今回の研究を機に、受動喫煙の有害性が国民の間に広まることを期待している」と話しています。

 2017年8月9日(水)
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■遺伝性卵巣がんの初の治療薬、来年にも承認へ アストラゼネカ社が開発 [健康ダイジェスト]





 イギリスの製薬大手「アストラゼネカ」の日本法人(大阪市北区)は8日、開発を進めている遺伝性卵巣がんの治療薬について、医薬品を承認審査する独立行政法人、医薬品医療機器総合機構に承認申請したことを明らかにしました。早ければ来年前半にも承認を得て、治療薬の販売を開始することを見込んでいます。
 親から受け継いだ遺伝子が原因で発症する「遺伝性がん」の治療薬の申請は国内では初めて。患者にとって治療の選択肢が広がる一方、家族の発症リスクもわかる可能性があるため、関係学会は家族のケアを含めた適切な診療体制の検討を始めました。
 遺伝性卵巣がんは、生まれ付き「BRCA1」「BRCA2」という遺伝子に変異がある人が発症する卵巣がんで、年に約1万人が新たに患う卵巣がん全体の約10%を占め、悪性度が高く進行も速いのが特徴。遺伝子に変異がある人の発症リスクは、変異がない人に比べて最大で40倍高いとされます。遺伝性がん(腫瘍)にはほかに、大腸や子宮などさまざまな臓器にがんが出る「リンチ症候群」、乳がん、白血病などを発症する「リ・フラウメニ症候群」などがあります。
 遺伝性卵巣がんの治療薬は、「オラパリブ」(製品名:リンパルザ)。遺伝性卵巣がんの再発患者が対象の飲み薬で、欧米では2014年末に承認されました。アストラゼネカの日本法人によると、日本国内の承認申請は7月末までに出されました。
 オラパリブは、がん細胞のみを標的にするため、従来の抗がん剤より副作用が少ないとされます。日本の患者も参加して2013年から同社が行った国際共同臨床試験(治験)では、再発患者のうちオラパリブを服用したグループの196人は、がんが大きくならなかった期間が平均19・1カ月。服用しなかったグループの99人より4倍近く長く、目立った副作用も確認されませんでした。
 患者は薬の使用前に、投薬対象となるか判定するための遺伝子検査を受けます。結果が陽性なら、患者だけでなく家族も同じ遺伝子変異を持つ可能性が生じます。
 日本婦人科腫瘍学会の青木大輔・副理事長は、「婦人科腫瘍専門医への研修を通じ、遺伝を考慮した適切な説明方法を周知し、遺伝カウンセリングの体制の充実を呼び掛けていきたい」としています。
 オラパリブが国内で使えるようになれば、患者にとっては朗報である一方、薬の効き目を調べる遺伝子検査の結果次第では、家族もがん発症の恐れに直面することになり、画期的な薬の登場が新たな課題を突き付けることになります。
 がんになるリスクが事前にわかれば、早めの対策につなげられます。アメリカの女優、アンジェリーナ・ジョリーさんは、母を卵巣がん、叔母を乳がんで亡くし、自ら遺伝子検査を受けBRCA1の変異が見付かりました。この変異は卵巣がんのほか乳がんの原因にもなるため、乳房と卵巣を予防的に手術で切除し、世界で話題を呼びました。
 しかし、がんの発症確率が高いと知ることのダメージは大きく、手術には重い決断も迫られます。日本医学会は指針で、未発症の家族に、丁寧な「遺伝カウンセリング」を行うことなどを医療現場に求めています。
 そのためには患者を支える「認定遺伝カウンセラー」の役割が重要ながら、国内には200人ほどで、3分の1が首都圏に集中。患者と家族が適切なフォローを受けられる診療体制の整備を急ぐ必要があります。
 オラパリブは、遺伝性の乳がんや前立腺がんにも有効な可能性があり、海外では遺伝性がんに効く別の薬も出ています。

 2017年8月9日(水)
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