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■心身の活力が低下するフレイル、自立度低下リスクが約2・4倍 健康長寿医療センターが追跡調査 [健康ダイジェスト]



 東京都健康長寿医療センターの研究チームは、65歳以上の高齢者を平均7年追跡した結果、調査開始時に心身の活力や機能が低下した「フレイル」状態だった人が、要介護認定を受けるなど自立度に影響が出る危険性は、そうではない人よりも2・4倍高くなるとの分析結果をまとめ、「日本公衆衛生雑誌10月号」に発表しました。
 一方、国が推進する特定健康診査(特定健診、メタボ健診)で調べるメタボリック症候群(メタボリックシンドローム)の有無は、自立度の低下と関係ないことがわかったとしています。
 同じ集団を対象にフレイルとメタボリック症候群の影響を調べた調査は、初めてです。調査は、群馬県草津町で2002~2011年に高齢者健康診査を受診した65歳以上のうち、要介護認定を受けていない1453人を2014年まで平均7年、最大12年追跡しました。
 追跡終了時に要介護認定を受けたり亡くなったりした人は、計494人。健康診査時にフレイルと判定された161人を分析すると、フレイルではないと判定された人と比べ、要介護認定を受けたり死亡したりする危険性が約2・4倍高くなりました。また、74歳までの前期高齢者と75歳以上の後期高齢者に分けた場合、前期高齢者では約3・4倍高くなり、後期高齢者では約1・7倍で、特に前期高齢者で差がありました。
 メタボリック症候群は、自立度の低下との関連が認められませんでした。フレイルとメタボリック症候群の両方に当たる人もいましたが、統計学的に分析するとフレイルだけが要介護認定や死亡の発生率に影響を与えていました。
 メタボリック症候群を調べる特定健康診査は現在40~74歳を対象としており、75歳以上は腹囲測定を除く後期高齢者健康診査となります。
 研究チームの北村明彦・東京都健康長寿医療センター研究部長は、「若いころと同様に『太りたくない』と話す高齢者も多いが、健康寿命を延ばすには、高齢者は肥満対策よりも必要な栄養を取り、筋力を付けてフレイルを予防することが大切だ。前期高齢者の健診内容も検討すべきだろう」と話しています。
 フレイルは、加齢とともに筋力などの運動機能や日常の活動量、認知機能などが低下した状態。「虚弱」や「老衰」「脆弱」などを意味する英語「フレイルティー(frailty)」が語源。早く対処すれば、進行を防いだり健康な状態に戻したりすることが可能なことから、日本老年医学会が2014年5月に新しい呼び方として提唱しました。国内の75歳以上の1~2割がフレイルとの推計もあります。

 2017年11月19日(日)
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■介護施設などの高齢入所者の救命、本人望めば蘇生中止へ 消防庁委託の研究班が提言 [健康ダイジェスト]



 増加する高齢者の救急搬送を受け、総務省消防庁から委託された研究班が、持病や老衰で終末期にある介護施設などの高齢入所者が心肺停止した場合の対応手順案をまとめました。本人の事前意思と医師の指示がセットで確認できた場合は蘇生処置の中止を認めており、研究班は高齢者の蘇生処置を巡る法整備をにらんだ議論の高まりを期待しています。
 近年は介護施設からの救急搬送依頼が増えていますが、救急隊員が駆け付けると、家族や職員など周囲の人から「本人は蘇生を望んでいない」と伝えられるなど現場対応が課題となっています。
 研究班は、北九州市立八幡病院の伊藤重彦・救命救急センター長を代表に、高齢化率の高い同市と山口県下関市の医師や介護施設代表者、弁護士ら約30人で構成。昨年夏から審議を重ねてきました。
 手順案では、持病や老衰による心肺停止が前提。救急車の要請、救急搬送などの段階に分け、入所者の蘇生を希望しない意思がわかる事前指示書と、担当医の蘇生中止指示を合わせて確認できた段階で、救急隊員は心臓マッサージなどの心肺蘇生を中止できるとしました。
 担当医は直近の入所者の状態などから、医学的見地で蘇生中止を判断。施設に常駐していないため、中止指示は職員らが電話などで確認します。
 また、医師の到着が心肺停止の数時間から半日後であっても「到着まで蘇生は行わず、救急車も呼ばずに待つように」などの指示が事前に医師から施設に出ている場合は、指示に従ってもいいと提言。指示の効力は「心肺停止前の2、3日以内」との考えを示しました。
 伊藤センター長は、「尊厳を保ちながら死にたいという本人の気持ちが置き去りにされていないか。本人、家族、医療関係者ら誰もが満足のいく終末期医療を考える必要がある」と話しています。
 研究班はすでに、全国の救命救急センターなど計約500カ所に手順案を配布。消防庁の担当者は、「国民的なコンセンサスが必要だが、研究成果は今後の政策の参考にしたい」としています。

 2017年11月19日(日)
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■食物アレルギーの治療や検査で9人が重い症状を発症 小児アレルギー学会が調査 [健康ダイジェスト]



 アレルギーの専門の医師でつくる日本小児アレルギー学会は、全国の医療機関を対象に調査を行い、食物アレルギーの治療や検査に関連して、少なくとも9人が自力での呼吸が難しくなるなどの重い症状を起こしていたことが明らかになりました。
 この調査は、横浜市にある神奈川県立こども医療センターが行った食物アレルギーの臨床研究に参加した牛乳アレルギーの子供が、ぜんそくの発作の2日後、一時、心肺停止になるなどの重いアレルギー症状を発症していたことが先週明らかになったことなどから、日本小児アレルギー学会が緊急に行い、19日、宇都宮市で開かれた学会のシンポジウムで公表しました。
 調査は食物アレルギーの診療を行っている全国344の医療機関を対象に行い、83%に当たる287の施設から回答を得ました。
 その結果、食物アレルギーの患者が自力での呼吸が難しくなるなど重い症状が出た事例は、これまでに16施設で18件あったということです。この中では、アレルギーの原因となる食べ物を間違って口にしてしまう「誤食」が8人と最も多く、この中の2人は記憶障害などの後遺症が出たということです。
 また、治療や検査に関連して起きた事例についても初めて調査をしたところ、食べ物を口にしてアレルギーの診断を行う検査では5人、アレルギーの原因となる食べ物を少しずつ食べる「経口免疫療法」と呼ばれる治療では4人に重い症状が出たことがわかりました。この中には、気道に管を挿入するなどの緊急の対応を行ったケースもあったということです。
 日本小児アレルギー学会では追加の調査を行い、原因や対応策などを探りたいとしています。
 今回の調査結果で最も多かったのは、「誤食」でした。食物アレルギーの問題に詳しい国立病院機構相模原病院の海老澤元宏医師によりますと、自宅ではきちんと症状が出ないように食事ができていても、外食や宿泊先で提供された食事のほか、学校や保育園などでの給食で誤食が多く起きているということです。
 そのため、外食産業や教育現場に携わる人たちのさらなる知識の向上が必要になるほか、患者自身は緊急時の治療薬を常に携帯するよう改めて意識し、おう吐が続いたり、息がしにくかったりするなどの症状が一つでもあれば、注射薬を使うようにしてほしいということです。
 また、医師の指導のもとで行う治療や検査に関連して重いアレルギー症状が出ていることについては、風邪やぜんそくなど体調の悪化によって、通常よりも少ない量の摂取で強いアレルギー症状が出てしまうことがあるとしています。
 どのような状況や量で起きるかは患者それぞれによって違うということで、治療の継続や摂取できる量を自己判断することなく、少しでも悩んだら診療を受けている専門医に聞くことが重要だとしています。

 2017年11月19日(日)
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■用語 家族性突然死症候群 [用語(か)]



[喫茶店]致死性不整脈によって家族性に突然死が起こる疾患の総称
 家族性突然死症候群とは、先天的な遺伝が原因で、若年者や壮年者に致死性不整脈による突然死が起こる疾患の総称。
 先天性QT延長症候群、ブルガダ症候群、進行性心臓伝導障害などが、家族性突然死症候群に含まれます。ここでは、先天性QT延長症候群について解説します。
 先天性QT延長症候群は、心臓の細胞に生まれ付き機能障害があるために、突然、脈が乱れる不整脈発作や失神発作を起こしたり、時には突然死に至ることもある先天性の疾患。
 医療機関において、心臓の動きをコントロールしている電気刺激の変化を記録する心電計で検査すると、心電図に現れるQTと呼ばれる波形の部分の間隔(QT時間)が、正常な心臓に比べて長くなることから、この疾患名が付けられています。
 常染色体優性遺伝を示す遺伝性の疾患で、性別に関係なく50%の確率で親から子供に遺伝しますが、症状には個人差が大きく、遺伝子に異常があっても必ずしも不整脈発作の症状が現れるとは限りません。まれですが、先天性聾(ろう)と呼ばれる生まれ付きで両耳の聴力障害を伴うものは、常染色体劣性遺伝を示します。
 心臓は収縮と弛緩(しかん)を絶えず繰り返していますが、この先天性QT延長症候群では、心臓の筋肉である心筋細胞が収縮して全身に血液を送り出した後、収縮前の状態に戻る時間が延長するために、心筋細胞が過敏になって不整脈発作を起こしやすくなります。
 QT延長症候群には先天性と後天性とがありますが、学童期などの若年から指摘される先天性QT延長症候群は、心筋細胞の収縮と弛緩に関係する遺伝子に異常があるために起こります。一方、比較的年齢が高くなり、薬剤使用や徐脈に伴って起こる後天性QT延長症候群も、遺伝子の異常がかかわっています。
 先天性QT延長症候群の原因は現在、2つが考えられています。1つは、心筋細胞にあるイオンチャネルと呼ばれる経路の異常です。心臓が規則正しく収縮と弛緩を繰り返すには、心臓の上部にある洞結節(どうけっせつ)と呼ばれる部分が1分間に60~80回発生させている電気刺激が正しく伝えられることが重要です。電気刺激を正しく伝えるため、心筋細胞はイオンチャネルという経路を使ってナトリウムやカリウムなどのイオンを出し入れしていますが、このイオンチャネルが正常に働かなくなり、電気刺激が正しく伝えられなくなると、脈が乱れる不整脈発作が起きやすくなります。
 イオンチャネルの異常は、イオンチャネルを作る際に使った設計図の誤り、すなわち遺伝子の異常で起こります。現在では4種類のイオンチャネルに遺伝子の異常が見付かっていますが、この4種類のイオンチャネルの遺伝子に異常が見付からない場合も多く、ほかの種類のイオンチャネルにも異常があるのではないかと考えられます。
 もう1つの原因は、心臓に指令を出す交感神経の異常です。交感神経は、背骨の横に左右1本ずつあり、正常では左右の交感神経から収縮と弛緩を繰り返すように心臓に送られる指令は、バランスが保たれています。先天性QT延長症候群では、左側の交感神経の働きが右側より勝っており、バランスが崩れています。交感神経のアンバランスがなぜ起こるかは、わかっていません。
 その実数は不明ですが、先天性QT延長症候群は2500〜5000人に1人程度の発症者が存在すると推定されています。
 先天性QT延長症候群は原因遺伝子により、不整脈発作の切っ掛けや治療薬の効き方が変わってきます。重症度には個人差が大きく、遺伝子に異常があっても症状が現れない場合があることも知られています。
 症状としては、不整脈発作による動悸(どうき)、立ちくらみ、気分不快や、失神発作、けいれん発作などがあります。発作の多くは、短時間で自然に回復しますが、心室期外収縮や、トルサード・ド・ポアンツと呼ばれる多形性心室頻拍から、心室細動といわれる不整脈にまで進行して回復しない場合は、突然死に至ります。
 また、失神発作、けいれん発作は、てんかんと間違えられることもよくあります。先天性聾、四肢の脱力、身体奇形などを伴うものもあります。
 抗不整脈薬と、日常生活における発作誘因の回避で、突然死に至るような致死性不整脈発作はかなり予防できます。正しい診断がとても大切ですので、小児循環器科、循環器科などの不整脈の専門医を受診することが勧められます。
[喫茶店]家族性突然死症候群(先天性QT延長症候群)の検査と診断と治療
 小児循環器科、循環器科、循環器内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による診断では、発作の既往歴、家族歴などから先天性QT延長症候群が疑われた場合は、心電図でQT時間の延長とT波と呼ばれる波の形の変化を確認します。検査の際に、運動や薬剤による負荷をかけることで、QT時間の延長がよりはっきりすることがあります。
 遺伝子診断は、治療薬の選択や適切な生活指導のために有効です。近年では、原因遺伝子の型のみではなく、各原因遺伝子の変異部位によって重症度が異なることがわかってきており、QT時間や遺伝子型、あるいは変異部位に基づいて、リスク評価を行い、治療法を決定します。
 小児循環器科、循環器科、循環器内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による治療では、不整脈発作の予防のために、β(ベータ)遮断薬、ナトリウムチャネル遮断薬、カルシウム拮抗(きっこう)薬などの抗不整脈薬を内服します。
 内服薬の効果がない場合は、植え込み型除細動器(ICD)、交感神経切除術などによる治療を考慮します。
 植え込み型除細動器(ICD)は、致命的な不整脈が起きても、それを自動的に感知して止めてしまう装置で、通常、左の胸部に植え込みます。鎖骨下の静脈に沿ってリード線を入れ、心臓の内壁に固定します。
 交感神経切除術は、心臓に指令を送る左側の交感神経を首から胸にかけて切断します。
 日常生活においては、不整脈発作の誘因となる激しい運動や精神的興奮、驚愕を避けるなどの注意が必要です。




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■用語 先天性QT延長症候群 [用語(せ)]



[バー]突然、脈が乱れて不整脈発作や失神発作を起こし、突然死に至ることもある遺伝性の疾患
 先天性QT延長症候群とは、心臓の細胞に生まれ付き機能障害があるために、突然、脈が乱れる不整脈発作や失神発作を起こしたり、時には突然死に至ることもある先天性の疾患。
 医療機関において、心臓の動きをコントロールしている電気刺激の変化を記録する心電計で検査すると、心電図に現れるQTと呼ばれる波形の部分の間隔(QT時間)が、正常な心臓に比べて長くなることから、この疾患名が付けられています。
 常染色体優性遺伝を示す遺伝性の疾患で、性別に関係なく50%の確率で親から子供に遺伝しますが、症状には個人差が大きく、遺伝子に異常があっても必ずしも不整脈発作の症状が現れるとは限りません。まれですが、先天性聾(ろう)と呼ばれる生まれ付きで両耳の聴力障害を伴うものは、常染色体劣性遺伝を示します。
 心臓は収縮と弛緩(しかん)を絶えず繰り返していますが、この先天性QT延長症候群では、心臓の筋肉である心筋細胞が収縮して全身に血液を送り出した後、収縮前の状態に戻る時間が延長するために、心筋細胞が過敏になって不整脈発作を起こしやすくなります。
 QT延長症候群には先天性と後天性とがありますが、学童期などの若年から指摘される先天性QT延長症候群は、心筋細胞の収縮と弛緩に関係する遺伝子に異常があるために起こります。一方、比較的年齢が高くなり、薬剤使用や徐脈に伴って起こる後天性QT延長症候群も、遺伝子の異常がかかわっています。
 先天性QT延長症候群の原因は現在、2つが考えられています。1つは、心筋細胞にあるイオンチャネルと呼ばれる経路の異常です。心臓が規則正しく収縮と弛緩を繰り返すには、心臓の上部にある洞結節(どうけっせつ)と呼ばれる部分が1分間に60~80回発生させている電気刺激が正しく伝えられることが重要です。電気刺激を正しく伝えるため、心筋細胞はイオンチャネルという経路を使ってナトリウムやカリウムなどのイオンを出し入れしていますが、このイオンチャネルが正常に働かなくなり、電気刺激が正しく伝えられなくなると、脈が乱れる不整脈発作が起きやすくなります。
 イオンチャネルの異常は、イオンチャネルを作る際に使った設計図の誤り、すなわち遺伝子の異常で起こります。現在では4種類のイオンチャネルに遺伝子の異常が見付かっていますが、この4種類のイオンチャネルの遺伝子に異常が見付からない場合も多く、ほかの種類のイオンチャネルにも異常があるのではないかと考えられます。
 もう1つの原因は、心臓に指令を出す交感神経の異常です。交感神経は、背骨の横に左右1本ずつあり、正常では左右の交感神経から収縮と弛緩を繰り返すように心臓に送られる指令は、バランスが保たれています。先天性QT延長症候群では、左側の交感神経の働きが右側より勝っており、バランスが崩れています。交感神経のアンバランスがなぜ起こるかは、わかっていません。
 その実数は不明ですが、先天性QT延長症候群は2500〜5000人に1人程度の発症者が存在すると推定されています。
 先天性QT延長症候群は原因遺伝子により、不整脈発作の切っ掛けや治療薬の効き方が変わってきます。重症度には個人差が大きく、遺伝子に異常があっても症状が現れない場合があることも知られています。
 症状としては、不整脈発作による動悸(どうき)、立ちくらみ、気分不快や、失神発作、けいれん発作などがあります。発作の多くは、短時間で自然に回復しますが、心室期外収縮や多形性心室頻拍から心室細動となり、回復しない場合は突然死に至ることもあります。
 また、失神発作、けいれん発作は、てんかんと間違えられることもよくあります。先天性聾、四肢の脱力、身体奇形などを伴うものもあります。
 抗不整脈薬と、日常生活における発作誘因の回避で、突然死に至るような致死性不整脈発作はかなり予防できます。正しい診断がとても大切ですので、小児循環器科、循環器科などの不整脈の専門医を受診することが勧められます。
[バー]先天性QT延長症候群の検査と診断と治療
 小児循環器科、循環器科、循環器内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による診断では、発作の既往歴、家族歴などから先天性QT延長症候群が疑われた場合は、心電図でQT時間の延長とT波と呼ばれる波の形の変化を確認します。検査の際に、運動や薬剤による負荷をかけることで、QT時間の延長がよりはっきりすることがあります。
 遺伝子診断は、治療薬の選択や適切な生活指導のために有効です。近年では、原因遺伝子の型のみではなく、各原因遺伝子の変異部位によって重症度が異なることがわかってきており、QT時間や遺伝子型、あるいは変異部位に基づいて、リスク評価を行い、治療法を決定します。
 小児循環器科、循環器科、循環器内科、不整脈科、不整脈内科などの医師による治療では、不整脈発作の予防のために、β(ベータ)遮断薬、ナトリウムチャネル遮断薬、カルシウム拮抗(きっこう)薬などの抗不整脈薬を内服します。
 内服薬の効果がない場合は、植え込み型除細動器(ICD)、交感神経切除術などによる治療を考慮します。
 植え込み型除細動器(ICD)は、致命的な不整脈が起きても、それを自動的に感知して止めてしまう装置で、通常、左の胸部に植え込みます。鎖骨下の静脈に沿ってリード線を入れ、心臓の内壁に固定します。
 交感神経切除術は、心臓に指令を送る左側の交感神経を首から胸にかけて切断します。
 なお、後天性QT延長症候群により、脈が正常よりも極端に遅くなる徐脈性不整脈を起こしている場合は、脈を正常まで速めて発作が起こりにくいようにするため、恒久型ペースメーカーの植込みによる治療を考慮します。
 ペースメーカーは、徐脈時には電気刺激を出して心臓の拍動を調整する装置で、脈の状態は心臓の中に留置したリード線を通して察知します。手術で、ライターほどの大きさのペースメーカーを鎖骨の下に埋め込みます。
 日常生活においては、不整脈発作の誘因となる激しい運動や精神的興奮、驚愕を避ける、発作を誘発しやすい薬剤は服用しないなどの注意が必要です。




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■用語 多嚢胞性卵巣症候群 [用語(た)]



[バー]卵子を包み込む卵胞が発育するのに時間がかかり、なかなか排卵を起こさない疾患
 多嚢胞(たのうほう)性卵巣症候群とは、卵巣の中でできる卵子を包み込む袋である卵胞の発育が遅く、ある程度の大きさになっても破裂して正常な排卵を起こさず、卵巣内に多数の卵胞がたまって厚い嚢胞となる疾患。
 PCOS(polycystic ovary syndrome) と略称されます。
 多嚢胞性卵巣症候群は、生殖年齢にある女性の5〜8%に発症がみられ、月経異常や無排卵月経を伴って、不妊の症状に悩む女性も少なくありません。本来、毎月起こる排卵が何らかの原因でうまく起こらない状態を総称して排卵障害と呼び、多嚢胞性卵巣症候群もその中の1つですが、特に患者数が多い疾患です。
 明確な原因はまだ特定されていませんが、テストステロンを主とするアンドロゲン(男性ホルモン)が卵巣内で多くなっていることが誘因になっていると考えられています。アンドロゲンが多くなっている原因は、脳下垂体からの指令で分泌される黄体化ホルモン(LH)と、膵臓(すいぞう)から分泌され血糖値を下げるインスリンというホルモンの作用です。
 その2つのホルモンが正常より強く卵巣に作用しているために、副腎(ふくじん)皮質や卵巣からわずかに分泌され、男女を問わず男性化作用のあるアンドロゲンが卵巣内で局所的に多くなっている結果、卵胞の発育不全や、月経異常、排卵障害を引き起こしていると考えられています。
 多嚢胞性卵巣症候群の主な症状としては、月経異常、男性化の徴候、糖尿病、肥満、不妊が挙げられます。
 脳下垂体からの指令で卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)が分泌され、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類のホルモンが卵巣から正常に分泌されることで、女性の体には一定の周期で生理が訪れますが、多嚢胞性卵巣症候群によりホルモンバランスが乱れることで、生理周期が39日以上になる稀発(きはつ)月経や、生理そのものがこない無月経という状態になることがあります。
 また、生理はきているが排卵されていない無排卵月経になることもあります。無排卵月経の場合、基礎体温が低温期と高温期の二相に分かれないという兆候があり、基礎体温がずっと低いままの状態が続く時は注意が必要です。
 多嚢胞性卵巣症候群では、テストステロンを主とするアンドロゲンの産生量が増加することで、女性であるにもかかわらず男性的な特徴が現れることもあります。例えば、口周りや腕、背中、陰部、すねなどに毛が増えたり、にきびが増えたり、声が低くなったりする現象がみられたりします。
 典型的な多嚢胞性卵巣症候群の症状を持つ女性のうち、40%が40歳までに耐糖能異常や糖尿病を発症します。また、年齢が高くなり、体重が増えるほどインスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性が生じ、血糖コントロールが悪くなります。多嚢胞性卵巣症候群がある状態で妊娠した場合、妊娠糖尿病のリスクが高まります。
 もともと肥満傾向にあると、多嚢胞性卵巣症候群になるリスクが高くなりますが、多嚢胞性卵巣症候群を発症すると、さらに腹の脂肪が優先的に蓄積されていきます。その結果、頸(けい)動脈や冠動脈などの血管疾患が増加します。
 多嚢胞性卵巣症候群は月経や排卵に影響があるので、一般的な女性よりも妊娠しづらく、不妊と診断されることもあります。ただ、排卵障害であっても完全に無排卵なのか、何カ月かに1回は排卵しているかなど、状況によっても異なります。そのため、多嚢胞性卵巣症候群になると妊娠率がどれくらい下がるかには、個人差があります。
 生活習慣の改善で月経周期を正常に戻したり、排卵誘発剤を使ったりすることで自然妊娠できる場合もありますので、不妊治療が必要かどうかなどは婦人科の医師と相談してください。
[バー]多嚢胞性卵巣症候群の検査と診断と治療
 婦人科、産婦人科の医師による診断では、血液中のホルモン検査やホルモン負荷試験、卵巣の超音波(エコー)検査を行います。腹腔(ふくくう)鏡下手術で卵巣のごく一部を採って顕微鏡検査をすることもあります。
 ホルモン検査では、正常の時とは異なり、黄体化ホルモン(LH)の値が卵胞刺激ホルモン(FSH)の値より多いことが認められます。テストステロンを主とするアンドロゲン(男性ホルモン)の値も、しばしば増加しています。超音波(エコー)検査では、卵巣に普通より多い数の卵胞や嚢胞が見えます。
 婦人科、産婦人科の医師による治療では、多嚢胞性卵巣症候群の女性の約70%が排卵に問題を起こし不妊症になる可能性が高くなっているため、妊娠を希望する場合は、排卵誘発法を行います。
 排卵誘発剤クロミフェン・クロミッドをサイクル2~6日の間服用すると、80%の女性は排卵を起こします。これで反応がない場合は、排卵誘発剤クロミフェン・クロミッドに副腎皮質ホルモンを併用したり、漢方薬の柴苓湯(さいれいとう)を併用したりします。それでもうまく排卵しない場合は、排卵を起こすためのhCG‐hMG注射を行ったりします。
 なお、排卵誘発法を行った時に、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)と呼ばれる副作用を起こしやすい傾向があるので、注意が必要です。
 hCG‐hMG注射を多く使わないと排卵を起こさない重症な場合は、体外受精を行うこともあります。体外受精であればある程度卵胞の発育をコントロールでき、卵巣が落ち着いてから胚移植することで安全に治療することもできます。
 また、腹腔鏡下手術で厚くなった卵巣の表面に小さな穴をたくさん開け、排卵を促す腹腔鏡下卵巣多孔術を行うこともあります。この手術を行うと薬に対する反応性がよくなったり、自然に排卵するようになったりします。効果は半年~1年続きますが、また元の状態に戻っていきます。
 最近では、多嚢胞性卵巣症候群になりやすい女性や、なかなか大きな卵胞ができない女性に、未熟卵体外受精(体外成熟培養、IVM)という方法があります。卵胞が7~10ミリに発育した段階で採卵し、未成熟の卵子を特殊な培養液に入れて受精できる段階まで育てた上で顕微授精させる方法で、hCG‐hMG注射が少なくてすみ、卵巣過剰刺激症候群の心配がほとんどありません。未熟卵体外受精ができる施設は限られており、受精率や妊娠率は一般の体外受精よりやや下がります。
 当面、妊娠の希望がない場合は、月経を周期的に起こすような治療を行います。これには、カウフマン療法と呼ばれる周期的女性ホルモン補充療法を行ったり、低用量ピルなどのホルモン剤を使います。
 インスリン抵抗性改善作用を持つ糖尿病薬が有効なこともあり、グリコラン(メトフォルミン)を日に3度、通常500ミリグラムを服用します。グリコラン(メトフォルミン)を服用すると、卵巣内のアンドロゲンの産生を促進する働きがある血中のインスリンが減少し、その結果、卵巣内のアンドロゲンが減少すると見なされます。
 4週間してからホルモン値、腎機能、肝機能などの血液検査をし、排卵状況を探ります。状況により、さらに超音波(エコー)検査を行ったり、排卵誘発剤クロミフェン・クロミッドとの併用を行ったりすることもあります。
 多嚢胞性卵巣症候群には、これをすれば大丈夫という予防法はまだありません。しかし、肥満や糖代謝との関連が深く、体重が増加しすぎるとインスリン抵抗性や月経不順、アンドロゲン過剰を悪化させるので、高カロリーの食事や甘い物の摂取は控える、肥満にならないよう定期的に運動するなど生活習慣を改めることが予防法の一つです。




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■O157食中毒、15都県の91人が同一の遺伝子型 厚労省が調査結果を公表 [健康ダイジェスト]



 埼玉、群馬両県の総菜販売店で購入した総菜を食べた人らが腸管出血性大腸菌O157に相次ぎ感染した問題で、7~9月に発症した少なくとも15都県の91人が同じ遺伝子型の菌に感染していたことが17日、厚生労働省の調査で明らかになりました。共通の感染源があったと推測されるものの、調査開始の遅れもあり、特定できませんでした。
 この日に開かれた厚労省の有識者会議で、調査結果が報告されました。同じ遺伝子型の菌が確認されたのは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、長野県、群馬県、栃木県、福島県、三重県、愛知県、兵庫県、富山県、岐阜県、滋賀県、宮城県の計15都県。これまで公表してきた基準よりも詳細に分析しました。
 同じ遺伝子型の菌による食中毒は計4件、8月中旬に発生して41人が感染し、3歳の女児が死亡しました。それ以前の7月下旬から8月上旬に最初の感染のピークがあり、東京都や神奈川県など関東を中心とした11都県の50人が同じ遺伝子型に感染していました。
 しかし、集団発生でなかったため原因の特定が難しく、食品を介しての感染である食中毒と確認された例はなかったため、厚労省が広域発生として把握できず、総菜販売店の食中毒が起きるまで注意喚起や全国調査ができませんでした。患者の食事や行動の共通点を調べましたが、見付かりませんでした。
 今回のことを踏まえ、厚労省は全国の遺伝子型の検査を「MLVA(ムルバ)法」と呼ばれる方法に統一します。また、こうした広域発生を早期に把握し、感染拡大や食中毒を防げるよう、今後、地方ブロックごとに連携協議会を設置し、情報の管理手法を統一するなど、厚労省や自治体間の情報共有の迅速化を図ります。

 2017年11月19日(日)
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■人類遺伝学会、ゲノム検査の予期せぬ変異判明で提言 患者への説明手順策定を [健康ダイジェスト]



 難病やがんの診療で広がりつつある患者のゲノム(全遺伝情報)を網羅的に調べる検査について、日本人類遺伝学会は18日、予期しない重い病気にかかわる遺伝子変異が見付かった際の対応などをまとめた医療機関向けの提言を発表しました。
 結果を知らせるかどうか検査前に患者に説明して同意を得ることや、十分な遺伝カウンセリング体制が必須としました。
 患者の遺伝情報を幅広く調べるゲノム検査は、遺伝子の異常で起きる難病や原因不明の病気の診断などで急速に広がっています。約10年前に、患者の遺伝子配列を高速で解析できる「次世代シーケンサー」と呼ばれる機器を用いた検査が登場し、人に約2万3000ある全遺伝子を10万円ほどで調べられるようになりました。従来は患者の症状から狙いを付けた遺伝子を個別に調べる手法しかなかったものの、最初に全遺伝子を調べて病気の原因遺伝子を探れるようになりました。
 遺伝子の変異が原因のがんでも、特定の変異に効く抗がん剤が相次いで開発され、今後、治療法を選ぶためにゲノム検査が拡大するとみられています。
 一方、ゲノム検査では発症していない別の病気にかかわる遺伝子変異も見付かる可能性があります。治療、予防できるものもあれば、発症すると治療法がなかったり、発症するか不確実だったりするものもあり、患者に何をどう伝えるか混乱が予想されています。
 このため遺伝医学の専門家らでつくる日本人類遺伝学会は18日、神戸市内で会見して提言を発表。検査目的とは関係ない結果を知らせるかどうかを事前に患者に説明して同意を得ることや、知らせる場合は確認検査の仕方や健康管理の対応策を検討し、専門家による患者の遺伝カウンセリングを行い、説明することなどを求めました。
 同学会理事の高田史男・北里大学教授は、「ゲノム検査は一般的な医療にも必ず広がる。今から問題点を十分に議論しておくことが重要だ」と話しています。

 2017年11月19日(日)
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