So-net無料ブログ作成
用語(な行) ブログトップ
前の4件 | -

■用語 尿道脱 [用語(な行)]





[トイレ]尿道の粘膜が尿道の外側にめくれるように脱出する疾患
 尿道脱とは、尿道の出口の粘膜が尿道の外側にめくれて飛び出す良性の疾患。
 小さな女児や高齢の女性にみられます。下着や、排尿後にふいたトイレットペーパーに血液が付いたことにより、気付くことが多いようです。
 また、尿道脱が大きくなると、大豆(だいず)大の腫瘍(しゅりゅう)のように見え、尿道の出口の赤い粘膜の突出に触れることができます。異物があるように感じることもあります。
 尿が出にくくなったり、脱出した粘膜が締め付けられると痛みが起きたりすることもあります。しばしば尿失禁や頻尿の症状もあります。
 よく似ているものに尿道カルンクルがあり、こちらは中高年女性の尿道出口の6時方向にできる赤色または暗褐色の良性の小さな腫瘍(しゅよう)で、やはり出血などで気付くことが多いようです。
 尿道カルンクルでは、腫瘍は1カ所で尿道の壁につながっているのに対し、尿道脱ではゴムホースの先端を外側にまくったように、尿道の出口の粘膜全周が反転して外側に飛び出します。指で脱出部分を尿道の中に押し戻すと、整復できることがあります。
 尿道脱は、生まれ付き尿道や骨盤内の組織が弱いことも原因の1つです。高齢の女性の場合は、出産時の外陰部の損傷や閉経後の女性ホルモン不足なども原因となっています。
 尿道は一番内側が粘膜で、その外側が内縦走筋、外輪状筋となっており、これら2つの筋肉の間が緩くなって尿道脱が生じると考えられています。せきや便秘などで腹圧をかけることが多い女性は、尿道脱を起こしたり、症状を悪化させたりします。
[トイレ]尿道脱の検査と診断と治療
 泌尿器科、ないし小児泌尿器科の医師による診断では、尿道脱の症状が見受けられる場合、排尿記録を何日分かに分けて、患者に行ってもらいます。また、排尿の勢いや残尿があるかどうかをチェックする尿流・残尿検査を行ったり、尿流動態検査、鎖膀胱(ぼうこう)尿道造影というレントゲン造影検査を追加して行ったりします。
 高齢の女性では、尿道カルンクルなどの尿道腫瘍、尿管の下端部の膀胱につながる部分が膀胱内で袋状に膨らむ尿管瘤(りゅう)との鑑別を膀胱鏡を用いて行います。
 泌尿器科、ないし小児泌尿器科の医師による治療では、まず、女性ホルモン剤の軟こうやステロイド剤(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン)の軟こうの外用を行います。日本では、女性ホルモン剤の軟こうを医療機関で処方することが難しく、まずはステロイド剤の軟こうを使うことが多いようです。これらの軟こうは症状を改善させますが、67%で再発するといわれています。
 軟こうによる治療で、尿道粘膜の飛び出しが大きくならず、出血や痛みの症状が現れなくなれば、経過を観察します。腹圧をかけると症状を悪くさせるので、便秘を改善させたり、腹圧をかけるような動作も長く続けないように気を付けます。
 また、脱出した尿道粘膜を外側から尿道の中に押し戻し、整復を維持する治療法を行うこともあります。具体的には、膣(ちつ)内に脱出した尿道粘膜の整復を維持するペッサリーという器具を挿入したり、ケーゲル体操を行うことによって、尿道粘膜の整復に必要な骨盤部の筋肉を鍛えたりします。
 ケーゲル体操は、排尿を途中で止める時のように、腟、尿道、直腸の周囲の筋肉に力を入れて約10秒間引き締め、次に力を抜いて約10秒間緩めます。この動作を10〜20回繰り返すのを1セットとして、1日に3セット以上行います。
 軟こうによる治療、整復を維持する治療に効果がみられず、再発したり、出血や痛み、排尿困難などの症状が出る場合は、外科手術の選択もあります。手術は麻酔をかけて、めくれて飛び出している尿道粘膜を切除し、外側の皮膚と内側の尿道粘膜を縫い合わせます。
 状況により全身麻酔もしくは脊椎(せきつい)麻酔で行い、手術に要する時間は30分程度。合併症は少なく、手術中の出血や感染症などが生じる可能性もありますが、程度は軽いものです。手術後はまれに、尿があちこちに飛び散るようになることがあります。
 手術前日に入院し、手術後2、3日は排尿のための管を膀胱内に入れて置くので、5、6日の入院が必要です。手術を行って再発することは少なく、飛び出している尿道粘膜を切除するのみですので、尿道が短くなるようなことはありません。




nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■用語 尿道カルンクル [用語(な行)]





[トイレ]女性の外尿道口付近の後壁にできる良性腫瘍
 尿道カルンクルとは、主に中高年女性の尿が体外に出る外尿道口付近の尿道後壁にできる良性の小さな腫瘍(しゅよう)。尿道カルンクラとも呼ばれます。
 中年以降の女性の良性の尿道腫瘍としては最も多く、赤色または暗褐色で、5ミリから1センチほどの大豆(だいず)くらいの大きさで、比較的軟らかい腫瘍です。尿道に付着している本体が、外尿道口からはみ出しています。
 症状としては、排尿時の尿道出血、血尿が多く、排尿痛があることもあります。また、腫瘍には血管が多いため触れると容易に出血し、疼痛(とうつう)があります。腫瘍が小さい場合には、自覚症状がないことも少なくなく、排尿後にトイレットペーパーに血液が付着したり、下着にこすれて血液が付着したりすることで気付きます。
 自転車に乗ったり、きついズボンをはいたりする物理的な刺激によって炎症を起こし、腫瘍が大きくなることもあります。
 現在のところ、原因ははっきりとしていませんが、便秘や多産、閉経による女性ホルモンの低下などが関係しているのではないかという考え方もあります。
[トイレ]尿道カルンクルの検査と診断と治療
 泌尿器科の医師による診断では、視診のみを行うことで判断を下します。尿検査を行って、血尿や尿路感染の有無を確認することもあります。視診で鑑別すべき疾患としては、尿道腫瘍(しゅよう)、尿道脱、尿道がんなどがあります。
 泌尿器科の医師による治療では、炎症を抑える副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤) 含有軟こうを使うほか、女性ホルモン剤を局所的に投与することもあります。痛みがある場合は、鎮痛剤を使うこともあります。細菌感染している場合は、抗生物質(抗生剤、抗菌剤)を使います。
 炎症が治まることで腫瘍が縮小すれば、良性の腫瘍で悪性化することはないため、経過を観察します。日常生活では、下着に触れるなどの刺激が繰り返されれば再び大きくなるので、自転車に乗ったり、きついズボンをはいたりするのを避けることが望まれます。
 炎症が治まらず出血と痛みを繰り返す場合、下着が汚れるのが気になる場合は、手術で腫瘍を切除し、摘出する選択もあります。局所的な麻酔で切除、摘出する短時間の手術で、日帰りも可能です。
 手術後は、排尿後に外尿道口付近を強くこすってふかないようにしたり、清潔を保てるようにハイアミンなどでしばらく消毒するようにします。
 似ているものに、尿道内の粘膜がめくれて外に出る尿道脱があります。治療法はほぼ同じですが、こちらは痛みを伴うことも多く、また、軟こうなどでは治りにくいため、多くは手術で切除、摘出します。




nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■用語 尿漏れ [用語(な行)]





[トイレ]無意識に尿が漏れて、日常生活に支障を来す状態
 尿漏れとは、膀胱(ぼうこう)や尿道、その筋肉や神経に問題がある場合に、自分の意思と関係なく尿が一時的に漏れる状態。尿失禁とも呼ばれます。
 尿漏れのうち、一時的な漏れではなく、一日中、常に漏れ続ける尿漏れを真性尿漏れ、または全尿尿漏れと呼びます。真性尿漏れ、全尿尿漏れの代表例として挙げられるのは、尿管開口異常などの先天性尿路奇形によって常に尿が漏れているもの、または手術などの際、尿道括約筋を完全に損傷したものです。
 一時的な漏れを示す尿漏れのほうは、腹圧性尿漏れ(緊張性尿漏れ)、切迫性尿漏れ(急迫性尿漏れ)、溢流(いつりゅう)性尿漏れ(奇異尿漏れ)、反射性尿漏れの4タイプに大別されます。
腹圧性尿漏れ
 腹圧性尿漏れは、せきやくしゃみ、運動時など、腹部に急な圧迫が加わった時に尿が漏れます。尿意とは無関係に、膀胱にたまった尿が一時的に漏れるもので、その程度はさまざまで、軽度の時は少量の一方で、重度になると多量に尿が漏れることもあります。
 腹圧性尿漏れは頻度が高く、中年以降の出産回数の多い女性にしばしば認められるほか、比較的若い女性にもみられます。起こる原因は、膀胱を支え、尿道を締めている骨盤底筋群が加齢や出産、肥満などで緩んで、弱くなったためです。骨盤底筋群の緩みが進むと、子宮脱、膀胱瘤(りゅう)、直腸脱などを合併することもあります。
 まれに、放射線治療やがんの手術によって、尿道を締める神経が傷付くことが原因となることもあります。
 腹部に急な圧迫が加わるような動作をした時、例えばせきやくしゃみをした時、笑った時、階段や坂道を上り下りした時、重い荷物を持ち上げた時、急に立ち上がった時、走り出した時、テニスやゴルフなどの運動をした時、性交時などに、一時的に尿が漏れます。通常、睡眠中にはみられません。
 この骨盤底筋の衰えによる腹圧性尿漏れと、急に強い尿意を感じてトイレに間に合わず尿を漏らしてしまう切迫性尿漏れの両方の症状がみられる場合もあり、混合性尿漏れ(混合型尿漏れ)と呼ばれます。混合性漏れは骨盤底筋群の緩みがベースにあり、膀胱と尿道の両方の機能低下が加わることで起こりやすくなります。そうした症状は加齢により増えてくるので、閉経期から後の高齢の女性に次第に生じる率が高くなります。
切迫性尿漏れ
 切迫性尿漏れは、急な強い尿意を催し、トイレにゆく途中やトイレで準備をする間に、尿が漏れます。トイレが近くなる頻尿、夜中に何度もトイレに起きる夜間頻尿が、同時に生じることもあります。
 この切迫性尿漏れは、自分の意思に反して勝手に膀胱が収縮する過活動膀胱が主な原因です。普通、膀胱が正常であれば400~500mlの尿をためることが可能で、尿が250~300mlくらいになると尿意を感じて排尿が始まりますが、過活動膀胱では100ml前後の尿がたまると膀胱が収縮するために、突然の尿意を催して、我慢できなくなるのが特徴です。膀胱が正常であれば、尿意を感じ始めて10~15分ぐらいは我慢できることもありますが、過活動膀胱ではそれも難しいとされています。
 過活動膀胱の人はとても多く、日本では40歳以上の男女のうち8人に1人は過活動膀胱の症状があり、その約半数に切迫性尿漏れの症状があると報告されています。近年40歳以下でも、過活動膀胱の症状に悩まされている人が大変多くなってきています。
 女性が過活動膀胱になる最も多い原因は、膀胱を支え、尿道を締めている骨盤底筋群や骨盤底を構成する靱帯(じんたい)が弱まる骨盤底障害です。骨盤底筋群や靱帯が弱まってたるむと、膀胱の底にある副交感神経の末端が膀胱に尿が十分にたまらないうちから活性化して、突然強い尿意が出るようになるのです。
 女性は若い時は妊娠や出産で、また、更年期以降は老化と女性ホルモン低下の影響で骨盤底障害になりやすいので、男性よりも多くの発症者がいます。男性の場合も、老化や運動不足で骨盤底筋や尿道括約筋が衰えることによって過活動膀胱になることがあります。
 また、男女ともに、脳と膀胱や尿道を結ぶ神経のトラブルで起こる過活動膀胱も増えています。こちらは、脳卒中や脳梗塞(こうそく)などの脳血管障害、パーキンソン病などの脳の障害、脊髄(せきずい)損傷や多発性硬化症などの脊髄の障害が原因となります。
 過活動膀胱のほか、切迫性尿漏れは膀胱炎、結石などによって膀胱の刺激性が高まって起こるものもあります。
溢流性尿漏れ
 溢流性尿漏れは、排尿障害があって十分に排尿できず、常に膀胱が伸展しているために、一時的な少量の漏れを示す尿漏れ。
 排尿障害があって尿が出にくい状態になっていても、新しい尿は腎臓(じんぞう)から次々に膀胱に送られてくるのでたまっていき、膀胱がいっぱいになると尿がチョロチョロと少量ずつあふれて出てきます。
 この症状は、前立腺(ぜんりつせん)肥大症による下部尿路閉塞(へいそく)が原因となることが多いので、中高年男性に多くみられます。
 前立腺肥大症による排尿トラブルは、膀胱への刺激による頻尿から始まります。前立腺は膀胱から出てすぐの尿道を取り巻いているので、前立腺肥大によって膀胱の出口や尿道への刺激が強くなり、夜中に何度も排尿のために起きるというような頻尿が始まります。同時に、会陰(えいん)部の不快感や圧迫感、尿が出にくいといった症状も現れます。
 次に、排尿に際して尿が出切らずに、膀胱にたまる残尿が発生するようになります。この段階では排尿障害が次第に強くなり、息んで腹圧をかけないと出ないようになってきます。さらに、肥大した前立腺によって尿道が狭くなっていくと、慢性尿閉となります。残尿が多くなって膀胱は尿が充満した状態になり、尿意を感じなくなって気付かないうちに尿が少量ずつあふれて漏れる溢流性漏れの状態になります。
 ほかには、女性が子宮がんを手術した後、糖尿病や脳血管障害で膀胱が収縮しなくなった場合に、溢流性尿漏れがみられます。
 女性の場合は尿が出やすい体の構造なので、男性に比べて溢流性尿漏れの状態になるケースはまれですが、子宮がんや直腸がんの手術の後で一時的に膀胱が収縮しなくなった場合、大きな子宮筋腫(きんしゅ)で膀胱の出口が圧迫され尿閉になった場合、子宮脱や子宮下垂などで尿道が開きづらくなった場合に、溢流性尿漏れがみられます。
 また、糖尿病や脊髄(せきずい)損傷、脳血管障害などによって、膀胱を中心とする末梢(まっしょう)神経系が器質的に傷害されると、膀胱が収縮しなくなる神経因性膀胱となり、たまった尿があふれて漏れる溢流性尿漏れがみられます。糖尿病では知覚がまひするために、尿意を感じないまま膀胱が膨らんで、1000ミリリットルもたまることがあります。
 溢流性尿漏れがみられると、下着がぬれる、臭いが気になるなど、しばしば不快感を覚えることになります。また、溢流性尿漏れを放置していると、膀胱にたまっている尿に細菌が繁殖して尿路感染症や腎機能障害などを起こしたり、腎不全になることもあります。
反射性尿漏れ
 反射性尿漏れは、尿意を感じることができないまま、膀胱に尿が一定量たまると反射的に排尿が起こる状態。
 尿意を感じることができないため排尿の抑制ができず、腎臓から尿が膀胱に送られた時に刺激が加わると、膀胱壁の筋肉である排尿筋が反射的に収縮して、自分の意思とは無関係に、不意に尿漏れが起こります。
 脳、脊髄など中枢神経系の障害や、交通事故などによる脊髄の損傷などによる後遺症の一つとして、脳の排尿中枢による抑制路が遮断されてしまうことによって起こります。膀胱には物理的に十分な量の尿がたまっているにもかかわらず、尿意が大脳まで伝わらないので尿意を催すことがなく、排尿を自分でコントロールすることができません。
 膀胱からの感覚は、脊髄反射により直接的に膀胱括約筋を刺激して、反射的に膀胱収縮を起こして排尿を起こします。漏れ出る尿量は多いことが、特徴です。
 逆に、排尿筋が反射的に収縮して膀胱が収縮する時に、外尿道括約筋が弛緩(しかん)せず尿道が閉鎖したままになると、膀胱内の圧力が異常に高くなり、腎臓に尿が逆流する膀胱尿管逆流症を起こします。尿の逆流を放置して進行すると、腎機能障害が起こりやすくなります。
 尿漏れは恥ずかしさのため医療機関への受診がためらわれ、尿パッドなどで対処している人も多いようですが、外出や人との交流を控えることにもつながりかねません。次第に日常生活の質が低下することも懸念されます。尿漏れの4タイプによる自分の意思と関係なく尿が一時的に漏れる症状が続くようであれば、泌尿器科を受診することが勧められます。
[トイレ]尿漏れの検査と診断と治療
 泌尿器科の医師による診断では、症状および各種検査を総合し、尿漏れの原因を確定します。
 一般的には問診、尿検査、超音波検査、血液検査、尿失禁定量テスト(パッドテスト)、尿失禁負荷テスト(ストレステスト)、尿流動態(ウロダイナミクス)検査(膀胱内圧、腹圧、排尿筋圧、外尿道括約筋活動、尿流量測定、残尿測定)、尿路造影検査、内視鏡検査などを行って、尿漏れの原因を探ります。
 問診では、出産歴、手術歴、婦人科疾患の有無、便秘の有無、尿漏れの状況などを質問します。切迫性尿漏れの主な原因となる過活動膀胱かどうかを調べるための過活動膀胱スクリーニング質問票(リンク)や、過活動膀胱の症状の程度を調べるための過活動膀胱症状質問票(OABSS)という簡単な質問票を、問診のために使うこともあります。
 尿失禁定量テスト(パッドテスト)では、パッドをつけた状態で水分を取ってもらい、せき、くしゃみ、手洗い、足踏みなど腹部に圧迫が加わりやすい動作を行ってもらい、1時間後のパッドの重量増加で尿漏れの程度を確認します。
 泌尿器科の医師による治療では、難産を経験した女性、40歳を過ぎた女性で腹圧性尿漏れ、切迫性尿漏れ、その2つが重なる混合性尿漏れを起こしている場合には、尿道、膣(ちつ)、肛門(こうもん)を締める骨盤底筋体操が割合効果的です。肛門の周囲の筋肉を5秒間強く締め、次に緩める簡単な運動で、仰向けの姿勢、いすに座った姿勢、ひじ・ひざをついた姿勢、机に手をついた姿勢、仰向けになり背筋を伸ばした姿勢という5つの姿勢で、20回ずつ繰り返します。
 朝、昼、夕、就寝前の4回に分けて、根気よく毎日続けて行うのが理想的です。3カ月以上続けても効果のない場合には、手術が必要となる可能性が高くなります。
 骨盤底筋の強化を目的として、電気刺激によって骨盤底筋や尿道括約筋など必要な筋肉を収縮させる電気刺激療法もあります。また、腟内コーンという器具を腟内に15分程度、1日2回ほど保持し、それを徐々に重たいものに変えていくことで骨盤底筋を強化し、症状を軽減する方法もあります。
 切迫性尿漏れの主な原因となる過活動膀胱の場合には、できるだけ尿意を我慢して、膀胱を拡大するための訓練をします。毎日訓練すると、膀胱が少しずつ大きくなって尿がためられるようになりますので、200~400mlくらいまでためられるように訓練します。排尿間隔を少しずつ延長させ、2時間くらいは我慢できるようになれば成功です。尿道を締める筋肉の訓練も必要です。
 薬物による治療としては、交感神経に働いて膀胱壁の筋肉である排尿筋の収縮を阻止し、尿道括約筋を収縮させる作用のある抗コリン剤(ポラキス、BUP−4)、または排尿筋を弛緩(しかん)させるカルシウム拮抗(きっこう)剤(アダラート、ヘルベッサー、ペルジピン)を用います。抗コリン剤を1~2カ月内服すると、過活動膀胱の80パーセントの発症者で改善されます。状況に応じて、抗うつ薬を用いることもあります。閉経後の女性に対しては、女性ホルモン剤を用いることもあります。
 重症例や希望の強い場合などには、手術による治療を行います。尿道括約筋の機能が低下している場合には、尿道の周囲にコラーゲンを注入する治療や、尿道括約筋を圧迫するように腹部の組織や人工線維で尿道を支えるスリング手術、日本ではあまり行われていない人工括約筋埋め込み術などがあります。
 溢流性尿漏れの場合は、原因になる疾患の種類によって異なり、基礎疾患があればその治療が第一です。前立腺肥大症や子宮脱、子宮下垂と診断すれば、その治療を行います。また、必要に応じて膀胱を収縮させる薬を用いることもあります。
 前立腺肥大症が溢流性尿漏れの原因の場合は、症状が軽い場合は薬物療法から始め、症状がひどい場合や合併症を引き起こしている場合は手術療法を行います。
 神経因性膀胱が溢流性尿漏れの原因の場合は、治療が可能ならばまず基礎疾患に対して行いますが、神経の疾患はなかなか治療の難しいことが多く、薬物療法、排尿誘発、自己導尿法などで排尿効率を高めることになります。
 自己導尿法は、尿が出にくく残尿が多い場合に、1日に1〜2回、清潔なカテーテルを自分で膀胱内に挿入し、尿を排出させるものです。 これで、とりあえず症状は改善し、外出も容易になります。
 反射性尿漏れの場合は、原因となる脊髄損傷がある時に機能を回復させる手術を行うことで、失禁を起こさないようにします。神経の疾患はなかなか治療の難しいことが多く、尿道括約筋の機能が低下している場合には、内視鏡によるコラーゲンなどの注入療法、各種の尿漏れ防止手術を行うこともあります。




nice!(8)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■用語 尿道上裂 [用語(な行)]





[トイレ]生まれ付きのもので、外尿道口が陰茎の背面に開口する尿道奇形
 尿道上裂(じょうれつ)とは、先天的な奇形である膀胱外反症のうちの軽症に相当し、外尿道口が陰茎の背面(上面)に開口する状態。
 男児の尿道上裂は、外尿道口が亀頭または陰茎幹部の背面もしくは陰茎恥骨移行部に開口している状態のことをいいます。女児の尿道上裂は、外尿道口が陰核と陰唇の間または腹部に開口している状態のことをいいます。
 外尿道口がどの程度、通常の位置から外れているかにより、近位型上裂と遠位型上裂とに分類されます。
 近位型上裂は男児では陰茎恥骨型、女児では完全型であり、これらは尿道括約筋の欠損により尿失禁を伴います。近位型上裂は遠位型上裂よりも多く、全体の4分の3を占めるといわれています。
 遠位型上裂は女児にはまれな状態で、男児では陰茎型と亀頭型とに分類されます。遠位型上裂では、尿失禁のほかにも、頻尿が多発していることが知られています。そのほかの症状としては、膀胱(ぼうこう)尿管逆流症がほとんどの場合に認められ、尿路感染症が起こりやすくなります。
 尿道上裂の原因は、先天性の奇形であり、はっきりとはわかっていません。
 尿道の先天性の奇形は、男児においては通常、陰茎の解剖学的異常を伴いますが、女児においては、ほかの外性器異常は伴わないことが多いとされています。尿道上裂により引き起こされる機能障害や症状のほとんどは、その形態の異常により引き起こされています。
 尿失禁が引き起こされるのは、奇形により膀胱粘膜が体の表面に出ていることが原因とされ、軽度の膀胱外反症と見なされます。
 頻尿が多発するのは膀胱の容量が小さいためであり、膀胱尿道逆流症が起こるのは腎臓(じんぞう)から膀胱につながっている尿管口が片側に偏って位置するために起こります。尿路感染症が起こりやすくなる原因は、外尿道口の位置の奇形により粘膜が表面にさらされていることや、膀胱に尿が一杯になった時や排尿する時に尿の尿管、腎盂(じんう)への逆流が起こることによって引き起こされます。
 男児では出生時に明らかに外陰部の異常が認められ、放置することで尿失禁や尿路感染症などのさまざまな問題が生じるため、小児泌尿器科医もしくは小児外科医に早期に相談すべきです。
[トイレ]尿道上裂の検査と診断と治療
 小児泌尿器科、小児外科の医師による診断では、出生時に外陰部の状態により確定しますが、膀胱尿管逆流症の合併が多いため、膀胱尿道造影などを行います。
 膀胱尿道造影は、新生児、乳幼児の場合には麻酔をかけて行います。膀胱に過度の圧をかけないようにして造影剤を膀胱内に注入し、膀胱充満時のX線(レントゲン)撮影を行います。膀胱尿管逆流は排尿時に最も生じやすいため、可能であれば、排尿時に息む際に排尿時膀胱尿道造影を行い、造影剤が尿管および腎盂に逆流しないかどうかを検査します。
 小児泌尿器科、小児外科の医師による治療では、奇形部分の外科的形成術を行います。症状が軽い場合でも、見た目上の問題や、尿路感染症の予防のために手術を行うことが多くなっています。
 遠位型上裂の場合と近位型上裂の場合とで手術の内容が異なってきており、遠位型上裂の手術では、陰茎背面の外尿道口から亀頭部の先端まで、新尿道を形成するのに必要な皮膚を管状に縫い合わせ、左右の陰茎海綿体の間を割って陰茎腹側に埋め、分割した両側の海綿体を縫い合わせた上で背側の皮膚を縫い合わせます。
 近位型上裂の場合は陰茎の外科的再建だけでは、膀胱尿管逆流症の合併が非常に多く、失禁が残存する可能性があるため、両側の尿管口を上方に移動させるようにして膀胱尿管逆流術を行い、同時に膀胱頸部(けいぶ)を縫い縮める形成術を行います。




nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:健康
前の4件 | - 用語(な行) ブログトップ