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■用語 塗り薬 [用語(ぬ)]

[病院]患部の皮膚に直接塗る薬で、飲み薬より効き目が早く副作用が少ないのが特徴
 塗り薬とは、患部の皮膚に塗る薬で、外用薬の一種。塗布剤とも呼ばれます。
 皮膚の効かせたい部位に直接塗ることで、化膿(かのう)、湿疹(しっしん)、痛みなどの炎症を抑えます。皮膚の患部から吸収され、皮膚表面やその近くに効くので、内服薬の飲み薬より、効き目が早く副作用が少ないのが特徴。 ただし、薬が体内に吸収されて全身に分布されるのは飲み薬と同じです。
 一般に塗り薬といっても、軟膏(なんこう)、クリーム、ローション、ゲル、スプレーなどいろいろな種類があり、その使い方も皮膚病だけに限らず、痛み止めや心臓の病気に使うものまで出回っています。同じ成分の薬を含んでいても、皮膚の状態や使う部位によって、軟膏やクリームなど異なる種類の塗り薬を使い分けます。
 この塗り薬には、皮膚の細胞の間を通って吸収される経路と、毛穴から吸収される経路があります。皮膚の厚みによって吸収の程度も違っており、手のひらや足の裏などは毛穴もありませんし、皮膚も厚いので、当然吸収が悪くなってきます。そのために、強めの薬が必要です。頬(ほお)などは皮膚も薄くて、吸収がよいので、塗り薬もそれに応じて選択します。
 それぞれの塗り薬の特徴は、以下になります。
 軟膏は、半固形の製剤で、構成は有効成分とワセリンなどの油脂性基剤に分かれ、基剤の中に分散して有効成分が存在する形になっています。油脂を基剤としているので皮膚を保護する効果が高くなっていますが、ベタベタして洗い流しにくいという欠点があります。しかし、スムーズに伸びて皮膚を保護する効果が高く、刺激が少ないという利点があります。主に、皮膚の状態が乾燥している時に使用します。
 クリームは、皮膚に染み込みやすく、塗り心地もよくて水で洗い流しやすいという利点があります。軟膏にくらべて、刺激は強くなります。
 ローションは、頭など、薬を塗りにくい有毛部に多く使われます。ゲルは、塗った部位が膜で被われるので、密封性がよくなって薬の有効成分が吸収されやすくなる。スプレーは、患部が広範囲なものに適しています。
 塗り薬を使う時のポイントは、使用前には、入浴や部分浴で患部を清潔にし、よく手指を洗います。塗る量の目安は、患部がしっとりとなる程度で、患部が広い部位には手のひら、狭い部位には指、細かい部位には綿棒を使って塗ります。強くこするとかえって刺激を与えてしまい、悪化させてしまう可能性があります。
 薬によっては使い方の説明書が付いている場合もあるので、よく読んでから使用するべきです。また、塗る量や回数などの使用方法は医師によく確認し、指示に従って正しく使うべきです。
 内服薬の飲み薬と、外用薬の一種である塗り薬では、薬剤の吸収経路が異なるため、現れる副作用も異なります。一般的には、飲み薬は全身に作用し、塗り薬は局所に作用するものですので、塗り薬での副作用としては主に塗布部などに起こります。
 同じ塗り薬を使っていても、塗る部位によって、副作用の起こりやすさは変わってきます。副作用が起きやすい部位としては、性器や、わきの下、顔などがあります。副作用の起きにくい部位としては、足の裏の皮膚などがあります。
 代表的な副作用としては、ステロイド外用剤によるものが挙げられます。かなりの長期に渡ってステロイド外用剤を使用した場合には、まれに皮膚委縮が出やすく、静脈が透けて見えたりします。また、皮膚が全体的に薄くなってくるので、ちょっとした刺激ですぐに黒あざのようなものができてしまうステロイド紫斑(しはん)や、顔全体が赤くなるステロイド潮紅(酒さ様皮膚炎)も、成人によくみられます。
 さまざまな植物や衣服、下着、金属、革製品などに触れるとかゆくなるなどの症状が現れる接触皮膚炎も、まれに起こることがあります。





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■用語 ヌーナン症候群 [用語(ぬ)]





[病院]低身長などを引き起こす先天異常症候群
 ヌーナン症候群とは、さまざまな身体的異常を引き起こす先天異常症候群。通常、低身長、心臓の異常、発達遅滞などがみられます。
 1963年に、アメリカの心臓学者のヌーナン(J・A・Noonan)が最初に報告しました。ヌーナン症候群は常染色体遺伝形式を示すこともあり、正常な遺伝子を持つ両親の子供に予想外に起こることもあります。12番染色体長腕にある原因遺伝子PTPN11が同定されており、約半数の症例で遺伝子変異が同定されています。ほかの原因遺伝子として、KRAS、SOS1、RAF1が同定されています。
 過去には、ターナー症候群に典型的な特徴の多くが現れるところから、「男性のターナー症候群」と呼ばれていた時期もありましたが、ヌーナン症候群は男児にも女児にも現れます。
 日本では、1万人に1人程度の罹患(りかん)率と見なされ、軽度の症状の場合は見過ごされている可能性があります。アメリカでは、1000〜1500人に1人の罹患率とされ、先天異常症候群の中では最も多いとされています。
 症状としては、低身長、心臓の異常、発達遅滞のほか、外見の異常として特異的顔貌、幅の広くて翼状の首、胸郭変形として鳩胸、漏斗胸などがみられ、 停留精巣、血液凝固異常、リンパ管異形成や目の異常も認められます。
 出生時の身長は通常正常ですが、最終身長は正常下限です。先天性の心臓疾患は発症者の50〜80パーセントに認められ、形成不全を伴う肺動脈弁狭窄(きょうさく)や肥大型心筋症が出生後、または乳幼児期に見付かります。発症者4人のうち1人には学習障害が認められ、特殊教育が必要となる場合もあります。発症者3人のうち1人には、軽度精神遅滞が認められ、 言語能は非言語能より劣ります。
 特異的顔貌は、年齢とともに変化します。最も明らかになるのは新生児期と幼児中期で、逆に成人になると不明瞭になります。乳児では、大抵ほ乳障害を認めます。男児では、睾丸(こうがん)の発育不全や停留がみられ、女児では、卵巣の機能低下や機能停止がみられます。思春期が遅れ、生殖能力がないこともあります。目の異常は、斜視や屈折異常、弱視が認められます。
[病院]ヌーナン症候群の検査と診断と治療
 ヌーナン症候群は、主要な症状より診断されます。また、近年の検査技術の進歩により、染色体、遺伝子レベルで診断できるようになり、早い時期からの疾患特性に応じた生活指導も行われています。
 合併症の診断と治療には、小児神経科、小児外科、新生児科、眼科、整形外科、耳鼻科など多くの臨床科の診療が必要とされ、個々の症状に対して対症的な治療が行われます。
 ヌーナン症候群における心血管系異常の治療は、通常行われる標準的治療と同様です。発達障害は、早期教育プログラムと個人に合わせた教育により取り組まれます。 血液凝固異常の治療では、特定の凝固因子欠乏か血小板凝集異常に起因するかを把握することが治療方針に役立ちます。
 成長ホルモンを投与すると、発育が促進されます。十分に成長した後ならば、精巣が発育不全の男児には、テストステロンによる治療の効果が期待できます。テストステロンは、より男性らしい外見の発達を刺激します。





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