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■1日4400歩程度でも高齢女性の死亡リスク低下 アメリカ・ハーバード大学が研究 [健康ダイジェスト]




  
 健康のためには1日1万歩は歩くのが望ましいとよくいわれるものの、アメリカのハーバード大学医学大学院の研究チームが行った研究で、平均年齢72歳の高齢女性は1日の歩数が4400歩程度でも、2700歩程度の人と比べて全死亡リスクが41%低いことが明らかになりました。
 1日の歩数が増えるほど全死亡リスクはさらに低下したものの、その効果は1日7500歩前後で最大に達し、歩数をそれ以上増やしてもさらなるリスク低下は得られないこともわかりました。研究の詳細は5月29日、医学誌「JAMA Internal Medicine」(電子版)に掲載されました。
 この研究は、アメリカの大規模コホート研究「Women’s Health Study(WHS)」に参加した、平均年齢72歳の健康な高齢女性1万6741人を対象としたもの。
 2011~2015年の間に、参加者には日中に活動量計を連続7日間装着してもらい、歩数と歩行強度を評価。平均で4・3年間追跡し、1日当たりの歩数および歩行強度と死亡リスクとの関連を調べました。
 追跡期間中に504人の女性が死亡しました。対象女性を1日の平均歩数で4つのグループの分けたところ、1日の歩数の中央値は最も低いグループから順に「2718歩」「4363歩」「5905歩」「8442歩」でした。
 分析の結果、1日の歩数が最も少ないグループと比べて、最も多いグループでは全死亡リスクが58%有意に低かったほか、2番目に多いグループでも46%、3番目に多いグループでも41%それぞれ有意に低いことがわかりました。
 1日の歩数が増えるほど死亡リスクはより低下したものの、そのリスク低下は1日7500歩前後で頭打ちになることも示されました。一方、1日の歩数で調整して解析すると、歩行強度と死亡リスクとの間には有意な関連は認められませんでした。
 研究を率いたハーバード大学医学大学院内科教授のI-Min Lee氏によると、アメリカ成人の1日当たりの平均歩数は4000~5000歩で、「1日1万歩」という目標の根拠は不明だといいます。
  Lee氏は、その起源は1960年代に日本で流行した歩数計の商品名「万歩計」にあるのではないかと説明しています。
 今回の研究結果は、1日の歩数と死亡リスクの低減との関連を示したにすぎないものの、Lee氏は「日常的に身体を動かすと血圧や血糖、コレステロールの値が改善し、思考力や記憶力、生活の質(QOL)の向上も期待できることは明らかだ」としています。
 また、「運動するには必ずしもジムに通う必要はなく、階段を上ったり、ペットの散歩をしたりする程度で十分だ」と助言しています。
 この研究には関与していないアメリカのクイニピアック大学医学部准教授のTraci Marquis-Eydman氏は、「少なくとも今回対象とした高齢女性では、1日1万歩を目標とする必要はないようだ。また、歩く速度に関係なく、少しでも身体を動かすことを心掛けるだけで死亡リスクを減らせる可能性が示された」と述べています。
 さらに、「歩数」はスマホなどで簡単に測定でき、目標として設定しやすいことから、同氏は「今後、身体ガイドラインでは1日の運動時間ではなく、歩数が目安とされるかもしれない」とし、「患者に運動を促す際には歩数で指導するのがよいのではないか」と提案しています。

 2019年6月17日(月)
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■アメリカから輸入のAED21台、自主回収 作動しない可能性 [健康ダイジェスト]




  
 東京都は17日、東京都港区の医療機器製造販売会社「旭化成ゾールメディカル」がアメリカから輸入した医療従事者向けの自動体外式除細動器(AED)が作動しない可能性があるとして、同社が国内に出荷した21台を修理を行うために自主回収すると発表しました。
 国内で健康被害の報告はないとしています。
 東京都によると、対象は「ZOLL AED Pro 半自動除細動器」の名称で販売している救命救急医療機器。マニュアルモードがあるタイプ20台と、ないタイプ1台を回収します。アナログ回路の基板が原因でエラーが発生し、電気ショックを与えられずに患者が死亡した事例が、今年4月にアメリカで確認されました。
 出荷されたのは今年3月5日~5月31日までで、全国の消防など16施設に納入されました。

 2019年6月17日(月)
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☐用語 遺伝性楕円赤血球症 [用語(あ行)]




  
[牡羊座]赤血球が先天的に楕円形に変形して本来の機能が低下し、壊れやすくなる疾患
 遺伝性楕円(だえん)赤血球症とは、先天的な赤血球膜蛋白質(たんぱくしつ)の異常により赤血球異常が引き起こされる疾患。卵形赤血球症とも呼ばれ、赤血球膜異常症の一つ、また先天性溶血性貧血の一つです。
 血液を構成する細胞のうち、各臓器や組織への酸素運搬を担う赤血球という細胞の赤血球膜蛋白質の1種のバンド3蛋白質、αスペクトリン、βスペクトリンなどの遺伝的な異常によって、20~100%の赤血球の形状が楕円形または卵円形に変形して本来の機能が低下し、壊れやすくなります。
 常染色体優性遺伝という形式で遺伝するまれな疾患です。
 主要な症状は貧血、黄疸(おうだん)、脾臓(ひぞう)のはれですが、症状の程度は個人差が強く、新生児期に重篤な症状を起こす場合もあれば、成人してから検査結果の異常で偶然発見される場合もあります。同じ赤血球膜異常症の一つで、赤血球の形状が球状に変形する遺伝性球状赤血球症と症状が類似しているものの、より軽度である傾向がみられ、貧血を示す例は少なく、脾臓のはれを示す例が多くみられます。
 赤血球は体内で狭い血管をも通過できるように、正常では中央部分がへこんだ円盤状の形をしています。この形態によって、狭い部分を通過する際に細胞が折り畳まれることで細胞を傷付けずにより先に流れていくことができます。
 遺伝性楕円赤血球症では、この特殊な形を保つための細胞骨格を作り上げるバンド3蛋白質などの遺伝子異常があるため、赤血球が通常通り変形することができず、細い血管や脾臓を通過するたびにその抵抗により細胞膜がどんどん削り取られてゆきます。細胞膜の面積が減っても細胞の中身の量は変わらないため、同じ表面積で体積を多くできる楕円形に赤血球が近付いてゆきます。それでも最終的には、細胞膜が薄くなることで形を保てずに赤血球が壊れてしまい、血色素(ヘモグロビン)が多量に赤血球外に出される溶血という現象が発生します。
 細胞骨格にかかわる蛋白質には多くの種類があり、どの蛋白質にどのような異常が出るかによっても疾患の深刻さは異なってきます。
 最重症の場合は、胎児期に高度の貧血のため、胎児水腫(すいしゅ)という状態を起こし得ます。新生児期に症状が出る場合の多くは、溶血のために血液中にビリルビン(胆汁色素)が増え新生児黄疸を起こして発見されます。黄疸の程度がひどい場合は、脳へのビリルビンの沈着とそれによる発達障害を起こすこともありますが、貧血による症状が深刻なことはまれです。新生児期をすぎると、皮膚の黄疸が問題となることは少なくなります。
 遺伝性楕円赤血球症の発症者では、赤血球が壊れずに体内を循環できる期間が疾患のない人と比べて少ないため、常に骨髄が活性化して多めに赤血球を作り続けている状態です。そのため、俗にリンゴ病と呼ばれる伝染性紅斑(こうはん)の原因になるヒトパルボウイルスB19型というウイルス感染への感染、赤血球を作る際に必要なビタミンB12や葉酸の不足など、骨髄の活動を抑制するような出来事があると急激に貧血が進行して症状を起こす可能性が高くなります。
 また、皮膚の黄疸を起こすほどではないにしろ、溶血によって赤血球からビリルビンが漏れ出続けているため肝臓がそれを処理し切れずに、ビリルビンが胆石を作りそれによる胆石疝痛(せんつう)発作を起こす可能性が高くなります。
[牡羊座]遺伝性楕円赤血球症の検査と診断と治療
 小児科、ないし血液内科の医師による診断では、足の裏などから末梢(まっしょう)血を採取して、赤血球の形態観察で楕円形赤血球または卵円形赤血球の増加、赤血球の浸透圧抵抗の低下、血液中の間接型ビリルビン値の上昇、直接抗グロブリン(直接クームス)試験の結果が陰性になることによる遺伝性球状赤血球症の除外、脾臓のはれ、類似する疾患の家族歴などを総合して診断します。可能であれば、赤血球膜の蛋白質を電気泳動で解析し、遺伝的異常を同定します。
 なお、新生児期には赤血球の形態、赤血球の浸透圧抵抗ともに典型的な所見を示さないことも多いため、診断が難しいことがあります。
 小児科、ないし血液内科の医師による治療では、疾患の原因が遺伝的な蛋白質の異常であるため、ほかの先天性溶血性貧血と同様に根本的な治療法はありません。
 対症療法として、正常より多くの量が必要となる葉酸を経口で補充します。まれに新生児期から貧血による症状が出る場合は、成熟に伴って骨髄が赤血球の消費を補えるだけ新たに赤血球を生産できるようになるまで、赤血球輸血や、エリスロポエチンという赤血球の生産を増やすホルモンの投与などを行います。
 また、溶血や貧血に伴う症状が高度な場合や、これらの症状が軽度でも胆石が認められる場合などでは、赤血球を主に壊している脾臓を外科手術、あるいは腹腔(ふくくう)鏡下手術によって取り除く脾摘が治療法となります。脾摘後も遺伝性楕円赤血球症は持続するものの、循環血液中での赤血球の寿命は延長します。元々の症状の程度によってどの程度の改善がみられるか個人差はありますが、軽症の場合はビリルビンなどの検査値がほぼ正常範囲になり、重症の場合でも輸血を必要とする頻度がかなり改善するなど大きな効果が見込めます。
 しかし、脾臓という臓器が肺炎球菌など一部の細菌感染に対抗する上で重要な役割を持っているため、脾摘後はこれらの感染症に対して抵抗力が弱くなってしまいます。そのため脾摘の前にワクチン接種を受けることが推奨されます。また、脾摘を受けた発症者は脾摘を受けない遺伝性楕円赤血球症の発症者と比べて、動脈/静脈塞栓(そくせん)の危険性が上がるという報告もあるため、元々の危険性が高い発症者では注意が必要になります。
 特に乳幼児期は脾摘後に重症細菌感染症にかかりやすくなるため、重症の場合でも6歳になるまで脾摘は待つほうが安全とされます。軽症の場合は、青年期まで待機可能なこともあります。
 そのほかの疾患の治療のため骨髄移植を行った場合には、骨髄の細胞が根本的に入れ替わるため遺伝性楕円赤血球症も改善しますが、この疾患単独に対する治療としては治療に伴う合併症のリスクが高すぎるため通常は行われません。
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■海洋プラごみ削減へ対策共有、初の国際的枠組み合意 G20エネルギー・環境相会合 [健康ダイジェスト]




  
 長野県軽井沢町で開かれていた主要20カ国・地域(G20)エネルギー・環境関係閣僚会合は16日、世界的な対策が急務の海洋プラスチックごみに関し、海への流出量など基礎データの集積を目指す枠組みの構築などを盛り込んだ共同声明を採択して閉幕しました。海洋プラスチックごみ対策としては初の国際的な枠組みとなり、メカニズムを解明して流出防止を目指します。
 共同声明は、海洋プラスチックごみを「海洋生態系や漁業などに負の影響を与え、人間の健康にも負の影響を及ぼす可能性があることに鑑み、緊急の取り組みが求められる緊急の行動が求められる問題」と指摘しました。その上で、「プラスチックごみの海洋流出の抑制や大幅な削減に向け、各国の適切な取り組みを速やかに実施することを決意する」と表明しました。
 合意された枠組みはプラスチックごみの海洋流出防止を主眼に置き、各国にプラスチックごみ排出量や処理施設の整備状況などがわかる報告書の定期的な提出を求めます。国際会議の場などで年1回程度、集約する見通しで、初回は今秋に日本で開く予定。日本政府は昨年、インドネシアの国際機関に海洋プラスチックごみに関するデータ集約の拠点を設けると表明しています。
 ただし枠組みは、ごみ処理対策が遅れている東南アジアなどの途上国に配慮して、プラスチックごみ削減の具体的な取り組みを各国の自主的な判断に委ねるとしました。今後、G20以外の国にも参加を呼び掛けます。
 今回はG20で初めて環境分野の閣僚会合が行われ、エネルギー分野と合同で開催されました。水素エネルギー技術の推進などイノベーション(技術革新)を中心に据えた環境対策もテーマとなり、各国の協力体制の強化やビジネス環境整備の促進などで合意しました。
 一方、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑える目標を掲げた「パリ協定」の開始が来年に迫る中、会合では温室効果ガス削減に向けた議論の進展が期待されました。しかし、積極的な削減策を求めるヨーロッパ連合とパリ協定離脱を表明したアメリカなどとの溝が埋まらず、具体的な対策の合意には至りませんでした。

 2019年6月16日(日)
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