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■血液でアルツハイマー病判定、原因物質を簡単に検査 国立長寿研など発表 [健康ダイジェスト]





 認知症全体の6~7割を占めるとされるアルツハイマー病の原因物質の脳内への蓄積を、わずかな血液で調べることができる検査法を開発したと、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)と大手精密機器メーカーの島津製作所(京都市中京区)の研究チームが発表しました。
 調べるのは「アミロイドベータ(Aβ)」というタンパク質で、発症の20年ほど前から脳に徐々に蓄積するとされます。血液からの検出法の確立は世界初で、簡便な検査法ができたことで、発症前の人を対象にした根本的な治療薬の開発を促進するものと期待されます。
 研究論文は、1月31日付のイギリスの科学誌「ネイチャー」(電子版)に掲載されました。
 アミロイドベータの検査は現在、1人当たり十数万~数十万円かかる特殊な脳画像検査や、背骨の間に針を入れて脳脊髄液を採取する検査法が用いられています。費用や体への負担が大きく、大規模な研究が難しい原因にもなっています。
 アミロイドベータは血中にわずかな量しか含まれておらず、血液検査で調べるのは難しいとされてきました。研究チームは、アミロイドベータの蓄積によって変動する複数の関連物質の比率から脳内への蓄積の度合いを推定する技術を開発し、わずか0・5ccの血液で測定できる方法を確立しました。
 アルツハイマー病は、無症状ながらアミロイドベータが徐々に脳内に蓄積する段階を経て、軽度認知障害(MCI)、発症へと進行します。研究チームは、オーストラリアにある世界有数の認知症研究組織と連携。健康な人を含む60~90歳の日本人121人とオーストラリア人111人を対象に、血液検査と脳画像検査を行い、結果を比較しました。両国とも約9割で一致し、アミロイドベータの有無を正しく判定できました。
 国立長寿医療研究センターの柳沢勝彦・研究所長によると、アルツハイマー病の根治薬の研究は近年、発症前段階を対象としています。簡単な血液検査で対象者を選び出せることで、研究の加速が期待できるといいます。さらに、「当面は、治療法の開発のための患者を見付け出すために使い、将来的には、発症前の高齢者検診に生かせる可能性もある」としています。
 2002年にノーベル化学賞を受賞し、今回の開発に加わった島津製作所シニアフェローの田中耕一さんは、「医療・創薬に役立つものを作りたいと研究を続けてきたが、私達の開発した分析技術が、認知症薬研究への活用が見通せるところまできたことは感慨深い。もうひと踏ん張りしなくてはと思う」と話しています。
 岩坪威(たけし)・東京大学教授(神経病理学)は、「アミロイドベータの蓄積を血液検査で調べるのは難しいと考えられていたが、日本だけでなく海外のサンプルでも正確さが再現できており、信頼性が高いとみられる。発症前段階を対象にした治療薬の開発研究にとって大きな前進だ」と話しています。

 2018年2月2日(金)
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