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■21世紀末、同時多発的な気象災害のリスク増 日米欧研究チーム [健康ダイジェスト]





 21世紀末には地球上の多くの地域で熱波や山火事、豪雨、高潮といった複数の壊滅的な気象災害が一度に発生するようになると警告する論文が19日、イギリスの科学誌「ネイチャー・クライメート・チェンジ」に掲載されました。論文は日米欧の研究チームによるもので、「対策が別の災害で機能しなくなることもあり、多様な対策を検討すべきだ」としています。
 論文の共著者の一人、アメリカ・ハワイ大学マノア校ハワイ海洋生物学研究所のエリック・フランクリン氏は、「人間社会は危険な相互に作用し合う複数の気象現象による複合的で壊滅的な影響を受けるようになるだろう」と警告しています。
 大気中の二酸化炭素(CO2)やメタンなどの温室効果ガスが過剰になったため、生命を脅かす大規模な気象災害が発生し始めています。始まりは気温上昇で、主に乾燥地帯で干ばつ、熱波、山火事を引き起こし、非乾燥地帯には豪雨や洪水をもたらします。
 地球温暖化によって海上で発生する暴風雨は巨大化し、その被害は海面上昇によって拡大します。
 従来は、気候変動が引き起こす個々の事象についての研究が多く、人間社会が同時に複数の気象災害に見舞われる可能性が見逃されがちでした。
 しかし、例えばアメリカ・フロリダ州は昨年、深刻な干ばつ、記録的な気温上昇、100件を超える森林火災、同州史上最大級の勢力だった大型ハリケーン「マイケル」の上陸を経験しました。
 論文の主執筆者、ハワイ大のカミーロ・モラ教授は、「1つ、もしくは2~3の気象災害のみに注目すると、ほかの気象災害がもたらす影響が覆い隠され、気候変動が人類に及ぼす影響の評価が不完全なものになってしまう恐れがある」と語っています。
 複数の気象災害が一度に発生するリスクは地域によって異なり、人類が速やかに温室効果ガスを削減できるかどうかによっても変わってきます。
 人類が気温上昇を産業革命前と比べて2度未満に抑えることができれば、今世紀末にニューヨーク市が猛烈な暴風雨といった危険な気象現象に見舞われるのは1年に1回程度ですむでしょう。
 しかし、温室効果ガス排出が現状のペースで進み、世界の平均気温が20世紀末より4度程度上昇した場合、ニューヨーク市は同時に最大で4つ、ロサンゼルスやオーストラリア・シドニーは3つ、メキシコの首都メキシコ市は4つ、ブラジルの大西洋沿岸では5つの危険な気象現象に見舞われる恐れがあります。どの予測シナリオでも、最も大きな被害を受けるのは熱帯沿岸地域で、東南アジアやアフリカ東部・西部、中南米の大西洋側では、6つのに気象災害さらされる危険性があるといいます。
 研究チームは、同時多発的な気象災害リスクを調べるため、数千件の査読論文からデータを集め、火災、洪水、雨量、海面上昇、土地利用の変化、海洋の酸性化、暴風雨、温暖化、干ばつ、淡水供給への気候変動の影響を分析。地球温暖化の「副産物」が人の健康、食料、水の利用、経済、社会基盤、安全保障の6分野に与える影響を調べました。
 論文の共著者の一人、アメリカ・ウィスコンシン大学マディソン校グローバルヘルス研究所のジョナサン・パッツ教授は、「熱波や猛烈な暴風雨といった気候変動の直接的な脅威だけを注視していると、より大きな脅威の不意打ちを受けることは避けられないだろう。脅威が組み合わさることで社会への影響はより大きいものになり得る」と警告しています。
 論文によれば、極地方に近い温帯に位置するオーストラリア・タスマニア、カナダやロシアの一部など、とりわけグリーンランドは気候変動による壊滅的な被害を免れそうだといいます。
 研究チームの平林由希子・芝浦工業大学教授(水文学)は、「温室効果ガスの削減目標や被害軽減の適応策を検討する場合には、複数災害の可能性も考慮する必要がある」と指摘しています。

 2018年11月22日(木)
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