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■インフル治療薬「ゾフルーザ」、患者の70%から耐性ウイルス 感染症研究所が発表 [健康ダイジェスト]





 インフルエンザの新しい治療薬「ゾフルーザ」を投与されたA香港型のインフルエンザ患者30人を調べたところ、70%余りに当たる22人から、この薬が効きにくい耐性ウイルスが検出されたことが、国立感染症研究所の調査でわかりました。調査件数は多くないものの、専門家は現在のような使用を続けると、耐性ウイルスが広がる恐れがあるとして使用基準を見直すべきだと指摘しています。
 塩野義製薬が「ゾフルーザ」という名称で製品化している「バロキサビル マルボキシル」は、昨年3月から販売が始まった新しいタイプのインフルエンザ治療薬です。
 1回の投与で効果が期待できるとされ、3月上旬までの5カ月余りの出荷量は560万人分余りと、インフルエンザ治療薬として今シーズン最も多く使われたとみられています。
 国立感染症研究所の3月18日までの分析では、ゾフルーザが投与されたA香港型のインフルエンザ患者30人のうち、22人から耐性ウイルスが検出され、その割合は73%に上ることがわかりました。
 また、ゾフルーザを服用していない83人の患者のうち、3人から耐性ウイルスが検出され、国立感染症研究所は耐性ウイルスが人から人に感染した可能性があるとしています。
 日本感染症学会インフルエンザ委員会の委員で、けいゆう病院の菅谷憲夫医師は、現在のような使用を続けると耐性ウイルスが広がる恐れがあると指摘した上で、「ゾフルーザは患者が重症化した時などに効果が高いと考えられ、通常の患者への処方は制限するなど、使用する基準を見直すべきだ」と指摘しています。
 調査結果について塩野義製薬は、「我々が行った調査ではなくコメントする立場にないが、ゾフルーザを使うと薬が効きにくいウイルスが出ることは認識しており、会社としても、そうしたウイルスが出る割合やどれくらい別の人に感染するのかなどデータの収集と解析に取り組んでいる。情報がまとまり次第、速やかに結果を公表していきたい」とコメントしています。
 国内でインフルエンザの治療に使われる薬は、ゾフルーザを含めて主に5種類あります。近年、多く使われてきたタミフルは、1日2回、5日間服用します。リレンザとイナビルは、粉末の薬剤を口から吸入するタイプで、リレンザは1日2回で5日間、イナビルは1回吸い込みます。ラピアクタは点滴薬で、血管に点滴で投与します。これら4種類はいずれも、インフルエンザウイルスが増えた後、細胞の外に放出されるのを妨げることで治します。
 そして、塩野義製薬が新たに開発したゾフルーザは、昨年の秋から今年にかけてのインフルエンザのシーズンで初めて本格的に使用されました。ゾフルーザは、錠剤を1回服用することで効果が出るとされ、ほかの薬とは作用のメカニズムが異なり、ウイルスの増殖を抑えるとされています。
 厚生労働省のまとめでは、今年3月上旬までの約5カ月間に全国の医療機関に供給されたゾフルーザは約562万人分で、タミフルの約466万人分の1・2倍になりました。このためゾフルーザは今シーズン、最も多く使用されたインフルエンザ治療薬だったとみられています。
 ゾフルーザについては、塩野義製薬が販売前に国の承認を得るために臨床試験を行っており、A香港型インフルエンザ患者に投与した場合、耐性ウイルスは12歳以上では約11%、12歳未満の子供では約26%で検出され、耐性ウイルスが比較的、出やすい傾向があることがわかっていました。
 また、この試験で、耐性ウイルスは、耐性のないウイルスよりも増殖能力が低下しているとされ、別の人に感染して流行する可能性は低いと推測していました。
 国立感染症研究所が実際に投与した状況を把握するため今月18日までにウイルスを分析した結果をまとめたところ、ゾフルーザが投与されたA香港型インフルエンザ患者30人のうち22人からゾフルーザの耐性ウイルスが検出され、割合にすると73%になりました。ゾフルーザが投与された「H1N1型」のA型インフルエンザ患者では15人のうち2人から検出され、割合は13%でした。
 また、耐性ウイルスを詳しく分析したところ、増殖能力は低下しておらず、耐性のないウイルスと比べて増える能力はほぼ変わらないことがわかったということです。さらに、ゾフルーザを服用していない83人の患者のウイルスを解析したところ、3人から耐性ウイルスが検出され、国立感染症研究所は、耐性ウイルスが人から人に感染した可能性があるとしています。
 昨年の秋から今年にかけての今シーズンのインフルエンザは、1月下旬に、1医療機関当たりの1週間の患者数が統計を取り始めた1999年以降では、最も多くなるなど大きな流行となりました。3月17日までに病院を受診した患者の累計は1155万人余りと推計されています。
 分析がまとまった最新の5週間の状況では、A香港型の患者が76%、2009年に新型インフルエンザとして流行したH1N1型が22%、B型が2%などと、A香港型が多いことが特徴です。

 2019年3月28日(木)
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