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☐用語 アイカルディ症候群 [用語(あ行)]





[バー]脳梁欠損、網脈絡膜裂孔、点頭てんかんを特徴とする神経発達疾患
 アイカルディ症候群とは、背景に神経系の発達の不具合があると想定されている神経発達疾患。脳梁(のうりょう)欠損、網脈絡膜裂孔、点頭てんかんという3つの症状を特徴とし、日本では特定疾患(難病)の一つとして厚生労働省から指定されています。 
 罹患(りかん)率については正確な人数は不明ですが、およそ9万~17万人に1人の割合で発症すると見なされてます。また、発症者のほとんどは女性です。
 原因については、明らかになっていません。基本的には、突然変異と呼ばれるランダムに突然起こる遺伝子の異常が原因ではないかと想定されています。
 アイカルディ症候群が発症する仕組みや、発症者のほとんどが女性である理由についても、明らかになっていません。しかし、突然変異が原因ということを想定した上で、いくつかの仮説が立てられています。
 まず、アイカルディ症候群は、X染色体上の遺伝子の変異により発症するのではないかと推測されています。X染色体は、性別を決める役割を持つ性染色体の1つです。女性はX染色体を2本持っていますが、男性は1本しか持っていません。そのため、男性では、X染色体の異常が起こった場合にその影響を受けやすいといわれています。アイカルディ症候群を発症した男性は、1本だけ持っているX染色体に異常が起きることにより、生まれる前に命を落とすのではないかと考えられています。
 ただし、非常にまれですが男性の報告例はあります。そのメカニズムとして、男性でX染色体が2本以上あることを特徴とするクラインフェルター症候群という疾患の発症者の場合では、アイカルディ症候群を発症しても生存できるのではないかと推測されています。
 また、アイカルディ症候群は、性染色体以外の染色体である常染色体上の遺伝子の変異により発症するという仮説も立てられています。常染色体は、基本的には男女ともに22対(44本)ずつ持っている染色体のことで、常染色体上の遺伝子に変異が起こると、新生児が先天異常を持って生まれてくることがあります。アイカルディ症候群もこのような仕組みで起こるという可能性が考えられています。
 アイカルディ症候群を親子で発症した例は報告がなく、遺伝する可能性について正確なことは明らかになっていません。アイカルディ症候群の子供が生まれた場合は、基本的に突然変異により発症したと想定されます。また、兄弟姉妹で発症したという報告は今までに1姉妹例しかなく、次の子供もアイカルディ症候群を発症する確率は非常に低いと考えられています。
 アイカルディ症候群の主な症状は、脳梁欠損、網脈絡膜裂孔、点頭てんかんです。脳梁欠損は生まれ付き起こる脳の奇形の1つで、右脳と左脳をつなぐ繊維の束である脳梁が部分欠損したり、完全欠損したりした状態を指します。網脈絡膜裂孔は、網膜や脈絡膜という目の奥に広がる膜状の組織に、裂け目ができることを指します。
 点頭てんかんは、てんかんの一種で、うなずくような動作に見える首、体幹、四肢の筋肉の瞬間的な収縮を伴うスパズム発作が特徴です。アイカルディ症候群では多くの場合、生後1年ころまでに最初の発作が起こるとされています。
 そのほか、ほとんどのアイカルディ症候群の発症者に発達の遅れがみられます。発達の遅れには個人差があり、脳の奇形の程度やてんかんの重さが関係していると考えられています。
 網脈絡膜裂孔以外にも、生まれ付き眼球が小さい状態である小眼球症や、持続的な眼球運動がみられる状態である眼振などの症状がみられることもあります。小頭症、背骨や肋骨(ろっこつ)の異常、まれに口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)などの症状もみられることもあります。
 海外から報告では、生存率にはかなりばらつきがあり、平均死亡年齢は約8・3歳で、死亡年齢の中央値は約18・5歳となっています。
 アイカルディ症候群は、多くの場合は小児科で診断されます。その上で詳しい検査が必要であれば、設備が整った病院に紹介される場合もあります。
[バー]アイカルディ症候群の検査と診断と治療
 小児科の医師による診断では、脳梁欠損、網脈絡膜裂孔、点頭てんかんの症状が併発しているかどうかを調べることにより判断されます。
 ただし、脳梁欠損と点頭てんかんはそれぞれ単独で発症する場合や、ほかの疾患でもみられる場合があります。そこで、個別の症状ではなく3つの症状が併発していることに注目しなければならないため、診断されるまでに時間がかかることがあります。
 脳梁欠損を調べるためには、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査などの画像検査が検討されます。網脈絡膜裂孔を調べるためには、眼底検査などの眼科的な検査が検討されます。てんかんの有無を調べるためには、けいれん発作時の様子の確認や、頭に電極をつけて脳波を記録し脳の活動の状態を調べる脳波検査の実施も検討されます。
 小児科の医師による治療では、アイカルディ症候群の根本的な治療法がないため、てんかん発作など実際に現れた症状を緩和する対症療法が主となります。
 てんかんの治療では、抗てんかん薬の投与が検討されます。しかし、アイカルディ症候群でみられるてんかんは、治療しても治りにくい難治性といわれています。すべての発症者に効果が現れるとは限らず、発作を繰り返すケースが多くみられます。
 また、てんかんの治療として手術療法が選択されることもありますが、アイカルディ症候群の治療としてはほとんど実施されていません。
 アイカルディ症候群に共通してみられる症状そのものが命にかかわるわけではありませんが、長生きするのは難しい疾患であると考えられています。しかし、世界では、30歳代の発症者や、症状が軽度で40歳代まで生きている発症者がいるという報告があります。医療的ケアや管理が向上していることから、少しずつ生存率が改善してきているのではないかと考えられています。
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