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■ピレネー山脈の高高度地域にもマイクロプラスチック 大気によって運ばれ堆積 [健康ダイジェスト]





 プラスチックによる汚染とは無縁と考えられている辺境の山岳地帯が、実際には大気中に浮遊するマイクロプラスチック(プラスチック微粒子)で覆われていると指摘する研究論文が15日、発表されました。「大気中濃度はフランスのパリなどの大都市に匹敵するほどだ」として、研究チームは懸念を示しています。
 イギリスの科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス」に掲載された論文によると、2017年~2018年にかけての5カ月間にわたる調査期間中、フランスとスペインにまたがるピレネー山脈の無人の高高度地域では毎日、1平方メートル当たり平均365個のマイクロプラスチックが地上に降下したといいます。
 論文の筆頭執筆者で、イギリスのストラスクライド大学の博士課程学生のスティーブ・アレン氏は、「ピレネー山脈で実地調査を行った範囲でこれほど多くの微粒子が見付かったのは驚くべきと同時に、懸念すべきことだ」と話しています。
 今回の研究では、大半が直径10~150マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)のプラスチックの断片、繊維、シート状の薄い膜などを含むマイクロプラスチックに着目しました。比較のために挙げると、人毛の直径は平均約70マイクロメートル。
 プラスチックごみはこの数年間で、重大な環境問題として浮上してきました。毎年最大で1200万トンに上るプラスチックが世界の海洋に流入し、さらに数百万トンが内陸の水路や埋立地に集積していると考えられています。プラスチックは砕けて細かくなるのに数十年かかる上、その後も環境中に残存し続けます。
 プラスチックが野生生物へ及ぼす害や人の健康への潜在的影響などを評価するための科学的研究はまだ始まったばかり。今年発表された研究では、水深1万メートル以上の深海に生息する生物の消化管内からプラスチック片が発見されました。また、マイクロプラスチックは世界各地の水道水から検出されているほか、南極大陸の最果てでも見付かっています。
 論文の共同執筆者で、フランスの機能生態学・環境研究所のデオニー・アラン氏は、「今回の最も重要な発見は、マイクロプラスチックが大気によって運ばれ、大都市からは遠く離れた辺境の高高度山岳地帯に堆積するということだ。これは、マイクロプラスチックが大気汚染物質であることを意味する」と語りました。
 研究チームは、西ヨーロッパで最も手付かずの自然が残る場所の一つと長年考えられていた地域で、マイクロプラスチック濃度を個別に測定するために2種類の監視装置を使用しました。
 測定場所は最も近い村でも7キロ離れており、最も近くの都市であるフランス南部のトゥールーズからは100キロ以上の距離があります。
 大気の流れのパターンを分析した結果、一部のマイクロプラスチックは少なくとも100キロ以上移動したものだと研究チームは推測しました。
 風、雪、雨などで運ばれたサンプルは、標高1500メートル以上にあるベルナドゥーズの測候所で収集されました。
 分析の結果、マイクロプラスチック汚染物質の濃度がパリや中国南部の工業都市・東莞(とうかん)などの大都市で検出される濃度と同水準であることが明らかになり、研究チームは衝撃を受けました。
 アラン氏は、「今回の測定結果は、パリ首都圏に関して報告されている測定値の範囲内にあり、パリに匹敵すると見なすことができる」と説明し、「マイクロプラスチックの数がこれほど多いとは予想外だった」と語りました。

 2019年4月18日(木)
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