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■白血病新薬「キムリア」を保険適用 1回当たりの価格は3349万円 [健康ダイジェスト]




 
 1回の投薬で3349万円もする白血病治療薬が、公的な医療保険でカバーされるようになります。厚生労働省は15日、白血病など血液のがんで高い治療効果が見込まれる「キムリア」の保険適用を決めました。
 厚労省が同日開いた中央社会保険医療協議会(中医協)で、キムリアの公定価格(薬価)を3349万円にする案を示し、承認されました。22日から保険適用します。
 キムリアは、スイス製薬大手ノバルティスが開発しました。CAR-T(カーティー)と呼ばれる新たながん治療法の薬です。がん患者の体内からT細胞と呼ばれる免疫細胞を取り出し、がん細胞に攻撃する力を高める遺伝子を組み込んで体内に戻します。国内では初の保険適用になりますが、海外でアメリカやヨーロッパ、カナダ、スイスなどで製造・販売の承認を得ています。
 治療対象は、白血病の患者で抗がん剤が効かなかった25歳以下の人などに限定し、年間200人余りと見込まれます。市場規模は72億円。
 投与は1回ですみ、ノバルティスの試験では、若年の白血病患者で8割に治療効果がみられました。
 超高額薬でも患者の負担は抑えられそうです。公的医療保険は患者の窓口負担が現役世代で3割で、これに加え医療費の負担が重くなりすぎないよう1カ月当たりの自己負担の上限を定めた高額療養費制度があります。
 例えば、年収が約500万円の人がキムリアを使った場合、40万円程度の負担ですみます。大部分は税金と社会保険料で賄い、患者が加入する健康保険組合の負担は大きくなります。
 キムリアはアメリカでは約5200万円の価格がつき、日本国内の薬価に注目が集まっていました。アメリカでは、効き目に応じて患者から支払いを受ける成功報酬型が採用されています。日本では、効果の有無に関係なく保険適用されるため、薬価を抑えることができたようです。
 医療の進歩に伴い、治療費が高額になるケースは増えています。健康保険組合連合会によると、2017年度に1カ月の医療費が1000万円以上かかった件数は532件で、5年前に比べ2倍に増えました。
 近年、抗がん剤のオプジーボやC型肝炎薬のソバルディやハーボニーなど高額な薬が相次ぎ登場した影響とみられます。高額療養費の支給総額は2016年度で2兆5579億円となっており、保険財政を圧迫するとの懸念も根強くあります。
 ただ、薬価の過度な引き下げは製薬会社の開発意欲をそぐといった問題があります。フランスでは、抗がん剤など代替性のない高額医薬品の自己負担はない一方、薬によって全額自己負担を求めるなど区別しています。日本でも市販品で代替できる医薬品を公的保険から外すなど制度の見直しが必要になりそうです。

 2019年5月15日(水)
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