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■遺伝子の「優性・劣性」を「顕性・潜性」に 学術会議が高校教科書での表現変更を提案 [健康ダイジェスト]




 
 遺伝子の特徴を示す「優性」や「劣性」という用語について、日本の科学者でつくる「日本学術会議」は、一方が劣っているかのような誤解を与えるとして、今後、高校の教科書では別の表現を使うことを提案する報告書をまとめました。
 学校の生物の授業では、遺伝子が関係する特徴の現れやすさを示す用語として、「優性」と「劣性」の遺伝という表現が使われていますが、一方が劣っているかのような誤解につながりかねないと関係する学会などが指摘していました。
 こうした指摘を受け、日本の科学者で作る日本学術会議は、高校の生物で学ぶ重要な用語を検討する委員会の中で報告書をまとめ、今後、高校の生物の教科書では、「優性」は「顕性」に、「劣性」は「潜性」に替えるとする考え方を示しました。
 一方、中学校では今も「優性」と「劣性」として教えている現状があり、混乱を防ぐために「優性」と「劣性」は別名として残すとしています。
 日本学術会議の報告は文部科学省の学習指導要領の見直しでも参考にされるなど、一定の影響力があり、今後、教科書が変わる切っ掛けとなるか注目されます。
 報告を取りまとめた委員会の中野明彦委員長は、「用語は、本来の意味で適切に使われることを願っており、教科書にも取り入れられることを期待している」と話しています。
 「優性」と「劣性」という用語は、初めから使われていたわけではありません。日本医学会のワーキンググループが調べたところ、「現在性」とか「潜伏性」などさまざまな用語が使われてきましたが、1910年に出された論文以降、「優性」と「劣性」に統一されたようだということです。
 しかし、すでに1945年の時点では、「優劣」の意味ではないのでほかの用語に替えたほうがよいとの指摘があったことが確認されています。また、近年では2年前の9月に日本遺伝学会が「顕性」と「潜性」に改めることを公表しています。
 一方、この用語の変更については、日本学術会議とは別に日本医学会のワーキンググループでも検討が進められており、今回の日本学術会議の報告書に対して、医療の現場ですでに浸透している言葉であり、検討の歩調を合わせて慎重に議論すべきだという指摘もあります。

 2019年7月8日(月)
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