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■「がん細胞自滅」と宣伝して健康食品を販売 容疑の社長ら4人逮捕 [健康ダイジェスト]




   
 「がん細胞が自滅する」などと医薬品のような効能を宣伝し、がん患者などに健康食品を販売したとして、大阪府警生活環境課は7日、販売会社の社長ら4人を逮捕し、同様の製品も含めて3年間に28億円余りを売り上げていたとみて調べています。大阪府警によりますと、4人はいずれも容疑を否認しているということです。
 逮捕されたのは、東京都中央区の健康食品販売会社「シンゲンメディカル」の社長藤岡成友(まさとも)容疑者(46歳)や専務の関本勝治容疑者(47歳)ら4人です。
 大阪府警によりますと、4人は健康食品をホームページで「がん細胞が自滅する」などと宣伝し、今年5月以降大阪府に住むがん患者など3人に医薬品のように装って販売したとして、医薬品医療機器法違反(未承認医薬品の広告、販売)の疑いが持たれています。
 これまでの調べで、シンゲンメディカルは「フコイダン」と呼ばれる成分が含まれた原価が1箱およそ3000円の製品「全分子フコイダンエキス2000」を5万円を超す値段で販売していましたが、がんに効く医薬品として承認はされていませんでした。
 シンゲンメディカルは、がんへの効能を宣伝した同様の製品も含めて、全国のがん患者などおよそ1万人に販売し28億7000万円ほどを売り上げていたとみられるということで、大阪府警が販売の実態を詳しく調べています。
 調べに対し、4人はいずれも「医薬品のように販売はしていない」などと容疑を否認しているということです。
 シンゲンメディカルは、フコイダンを含んだ健康食品を「補完医療サプリメント」と称して、インターネットなどで広く販売していました。フコイダンはわかめなどの海藻の「ぬめり」から抽出されますが、厚生労働省によりますと問題となった製品はがんに効く医薬品としては承認されておらず、効果があると宣伝することはできないということです。
 しかし、警察によりますとシンゲンメディカルは、ホームページで効能として「がん細胞が自滅する」と宣伝していたということで、これまでにも効能や効果の表示について大阪市による行政指導が3件行われていたということです。さらに、大阪市には商品を購入した客からの苦情も21件寄せられていたということです。
 今年5月に警察の捜索を受けた後、宣伝の表現は変更されましたが、警察はこれまでがんに効くように宣伝し、患者に製品を販売していた実態が法律に違反するとして7日、社長らを逮捕しました。
 がんの治療を巡っては、「手術などの外科療法」「放射線療法」それに「薬を使った化学療法」などが標準的な治療とされています。一方、科学的な根拠がないにもかかわらず、がんに効くかのように宣伝された健康食品やサプリメントがインターネットなどで多く紹介され、利用する患者は後を絶たないといいます。
 こうした商品は厚労省が認めた「医薬品」ではないため、2016年には富山県警が富山市の業者を、2018年は千葉県警が福岡市の業者を摘発するなど各地で問題が明らかになっています。
 また、国民生活センターによりますと、「がんに効くという高額な健康食品を購入して飲んでみたが、効果がない」といった相談が各地から寄せられているということです。
 がん患者などでつくる大阪のNPO法人「がんと共に生きる会」によりますと、病状が進行して治療法が限られた時などに、わらにもすがる思いでがんへの効用をうたった健康食品を求める人は多いということです。また、こうした製品を服用するようになったことで標準的な治療を中断したり、多額の費用をつぎ込んだりするケースもあるということです。
 このためこのNPOでは、患者やその家族は購入しようとしている製品が科学的根拠があるのかどうかを主治医などとしっかり相談するよう勧めており、コミュニケーションの取り方をパンフレットにまとめて配布しています。
 健康食品などの問題に詳しい島根大学医学部の大野智教授は、がん患者などをターゲットにした悪質な業者の存在について「行政も厳しい取締りを行っているが、消費者の目線からすればまだ不十分な点がある。がんという命にかかる病気で感情が揺さぶられる中、業者にとっては高い物でも買ってもらえるという商売がしやすい状況にある」としています。
 その上で、患者がこうした悪質な業者から身を守るための注意点として「健康食品でがんが消えて治ることは、そもそもない話だということを認識しておくことが重要だ」と述べています。

 2019年8月10日(土)
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