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■用語 後天性陰茎湾曲症 [用語(か行)]



[喫茶店]生まれてから生じた異常によって、男性の陰茎が勃起した時に湾曲する状態
 後天性陰茎湾曲症とは、生まれてから生じた異常によって、男性の陰茎が勃起(ぼっき)した時に根元から、あるいは途中から湾曲する状態。
 上下に曲がる場合や左右に曲がる場合、両方が混在した場合などがあり、陰茎の中ほどから下方向にへの字型に折れ曲がる場合が一番多くみられます。
 勃起していない時はほとんど目立たない場合が多いのですが、勃起すると明らかな曲がりが確認できます。湾曲が強いと勃起自体に陰茎の痛みが伴うことがあるものの、勃起していない状態では陰茎の痛みはありません。
 陰茎の湾曲のほか、勃起弱化が起こることもあります。
 ほとんどの男性の陰茎はどこかの方向に曲がっているものの、大半は真っすぐといえる範囲に収まっています。陰茎湾曲症でも軽度の湾曲は問題ないものの、陰茎の湾曲が強ければ、性行為の際にペニスを挿入しにくかったり、挿入後にすぐに抜けてしまったり、パートナーの女性が痛がったり、男性自身も亀頭部の摩擦が多くて痛みを生じるなどという問題が生じやすくなります。
 変形によるコンプレックスや、勃起に伴う陰茎の痛みに対する不安など、精神的なストレスから勃起不全(インポテンツ)に陥ることもあります。
 後天性陰茎湾曲症は、陰茎形成性硬結症(ペロニー病)や、外傷による陰茎折症(陰茎折傷)によって生じます。
[喫茶店]陰茎形成性硬結症は陰茎の皮膚の下に硬いしこりができる疾患
 陰茎形成性硬結症は、陰茎の皮膚の下に硬いしこりができる疾患。疾患名は1743年に最初に報告したフランスの医師フランソワ・ジゴ・ラ・ペロニーにちなみ、ペロニー病、パイロニー病、ペイロニー病、陰茎硬化症などとも呼ばれます。
 30~70歳代の男性に多く、陰茎海綿体を包む白膜(はくまく)という結合組織に、線維性のしこり(硬結)ができます。白膜は伸び縮みする弾性線維と硬い膠原(こうげん)線維の組み合せでできていて、ある程度伸びると止まる構造になっていますが、膠原線維が増えてしこりになります。しこりは陰茎の陰嚢(いんのう)と反対側の面にできることが多く、すじ状のものから板状で骨のようなものまで、さまざまな形があります。
 勃起すると陰茎がしこりのある方向に曲がり、疼痛(とうつう)が起こることもあります。曲がり具合にもよりますが、十分な勃起が得られず、性交に支障を来すこともあります。
 平常時は痛くもかゆくもなく、しこりそのものは無害と考えられ、自然によくなることもあります。逆に、徐々に進行することもあります。
 詳細な原因は、まだよくわかっていません。慢性陰茎海綿体炎、糖尿病、痛風、外傷などとの関連が疑われています。
 手の小指や薬指の内側の腱(けん)が引きつって内側に曲がったり、手のひらや足の裏が短縮したりするデュプイトラン拘縮という疾患と一緒に現れることもあります。デュプイトラン拘縮は中年以降の男性に多くみられ、長期にわたるアルコール摂取が危険因子の一つと見なされ、糖尿病に合併することもあります。
 陰茎形成性硬結症らしいと思い当たり、性生活に支障を来すようであったり、ほかの疾患、例えば陰茎がんなどとの見極めが困難な場合は、泌尿器科などの医師に相談することが勧められます。
[喫茶店]陰茎折症は陰茎に過度の力が加わり、著しく変形したり、はれ上がった状態
 陰茎折症は、勃起した陰茎に過度の力が加わったために、あるいは事故などによる外傷のために、陰茎海綿体を包む白膜が断裂して、陰茎が折れ曲がる状態。陰茎折傷とも呼ばれます。
 陰茎白膜のみにとどまらず、陰茎海綿体に裂傷が生じたり、尿道海綿体や尿道に損傷が生じることもあります。
 年間の発生率は10万人に0・3人との報告もあり、まれです。20〜40歳の性的活動性の高い年齢層に多く発生し、その原因として、自分の手で曲げる行為、性行為、自慰、寝返り、転倒などが挙げられます。
 陰茎白膜が断裂する部位は、陰茎中央部が最も多く、陰茎根部、亀頭近接部にもみられます。勃起した陰茎が無理やり曲げられた場合などでは、ほとんどのケースで、伸展して薄くなった陰茎白膜が穀物の茎の折れる音、あるいはガラス棒の折れる音と形容されるようなブチッという異常音を立てて、断裂します。
 その瞬間から、激しい痛みが起こります。陰茎は勃起状態から普通の状態に戻るとともに、激痛は持続的な鈍痛あるいは刺痛に変わり、浅陰茎背静脈などの血管の破裂による内出血のために、徐々に皮下血腫(けっしゅ)ができてきます。そして、破裂した部位とは反対側に、陰茎が折れ曲がります。陰茎は著しくはれ上がり、陰茎の皮膚は暗紫色をみせます。
 皮下血腫の圧迫により排尿困難を起こしたり、尿道に損傷が生じた場合には、外尿道口からの出血、血尿、尿閉を伴うこともあります。
 陰茎根部に接する陰嚢の鞘膜(しょうまく)も破裂すると、鼠径(そけい)部、会陰(えいん)部、恥骨(ちこつ)部に斑状(はんじょう)の皮下血腫ができることもあります。
 誘因として尿道炎、尿道周囲炎、尿道狭窄(きょうさく)、陰茎白膜の硬化性変化、陰茎海綿体の変性が挙げられ、陰茎にわずかに異常な外力が加わっただけで陰茎折症が起こりやすく、尿道の損傷などの合併症が起こる危険性が増すともいわれています。
 陰茎折症の症状が出たら、早期に泌尿器科、ないし外科の医師を受診する必要があります。放置すると、勃起力の減退、勃起時の陰茎の湾曲、有痛性勃起、勃起障害、排尿障害などが起こり得ます。軽度の場合のはれ上がりがない状態でも、受診は必要になります。
[喫茶店]後天性陰茎湾曲症の検査と診断と治療
[喫茶店]陰茎形成性硬結症の検査と診断と治療
 泌尿器科の医師による陰茎形成性硬結症(ペロニー病)の診断では、特徴的なしこり(硬結)の症状の視診、触診で確定できます。以前に打撲などによる外傷や炎症があったかどうかが、参考になります。超音波検査やMRI検査を行うと、しこりの厚さや大きさを観察でき、しばしば石灰化が確認できます。陰茎知覚異常がある場合には、振動覚測定を行います。
 この陰茎形成性硬結症ががんになることはありませんが、しこりや痛みが同じように現れる陰茎がんとの見極めは難しく、正確に診断するためにしこりの一部を切除して組織検査を行うこともあります。
 陰茎形成性硬結症に特に有効な根本的な治療法はありませんが、勃起障害の原因となったり、痛みが起こる場合には、超音波治療(体外衝撃波治療)、副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の局所注射ないし内服、コラーゲン分解酵素の局所注射、ビタミンEの内服、ヘパリン類似物質や非ステロイド系消炎鎮痛薬の軟こうの塗布などが試みられますが、あまり有効ではないようです。痛みが起こる場合には、放射線照射が有効とされています。
 性交渉に障害が出るような場合、本人が希望すれば手術を行うこともあります。手術には、しこりがある反対側の白膜を切り詰めて湾曲を矯正する縫縮法(プリケーション法)と、白膜のしこり自体を切除し、欠損部に皮膚や静脈を移植する移植法の2つがあります。
 通常、軽い場合は縫縮法、症状が進んでいれば移植法が行われます。縫縮法は湾曲の改善のみを目的とした方法で、移植法に比べて簡単ですが、しこりや痛みの改善はできないことと陰茎の短縮が問題となります。移植法も、手術後の瘢痕(はんこん)組織が硬化して手術前より悪化したり、切除しても再発することがあるのが問題となります。
 いずれも2時間ぐらいの手術で、3日間程度の入院が必要です。糖尿病のある人の場合は、血糖コントロールが必要のため入院期間が少し長くなります。縫縮法を局所麻酔で行う場合は、日帰り手術も可能です。
 症状が進んで陰茎海綿体にまで影響するなど重い勃起障害がある場合は、陰茎の中に支柱材を埋め込むプロステーシス手術も検討されます。デュプイトラン拘縮が一緒に現れている場合は、 基本的に薬物療法や注射は治療効果がなく、手術による治療になります。
[喫茶店]陰茎折症の検査と診断と治療
 泌尿器科、ないし外科の医師による陰茎折症(陰茎折傷)の診断は、発症時のブッチという断裂音の問診と、陰茎白膜の断裂部位と反対側への陰茎の屈曲、陰茎の暗紫色のはれ上がりなど独特な形態変化から、臨床的に下します。
 皮下血腫が広範であれば、陰茎白膜などの断裂部位の確定は触診のみで困難なことも多く、MRI検査が行われることもあります。尿道の損傷の発生率が高いため、陰茎尿道X線撮影(逆行性尿道造影)が行われることもあります。
 泌尿器科、ないし外科の医師による治療は、尿道の損傷がない場合や軽い尿道断裂と見なした場合、保存的に治療することもあります。局部の安静、陰茎および陰嚢の挙上などにより血腫の吸収を促進し、圧迫包帯、湿布、止血剤、消炎鎮痛剤などを使用して治療します。
 しかし、保存的治療だけでは、陰茎の変形、勃起障害などの後遺症が生じる割合が高いため、陰茎白膜の断裂が高度で出血が著しい場合や尿道損傷のある場合は、手術が行われるのが一般的です。まず血腫がある場合にはこれを取り除いて、最小限の皮膚切開で陰茎白膜の断裂部分を縫い合わせます。早期に適切な手術を行えば、後遺症はまず生じません。
 早期に適切に対応しないと、後遺症が残る可能性が高くなります。また、尿道断裂に至るなど重度なものは予後はよくなく、陰茎形成術、尿道形成術などを要します。




■人工知能、がん治療法を助言し命救う アメリカIBMの「ワトソン」 [健康ダイジェスト]



 東京大学医科学研究所が導入した2000万件の医学論文を学習した人工知能(AI)が、専門の医師でも診断が難しい特殊な白血病を10分ほどで見抜き、治療法を変えるよう提案した結果、60歳代の女性患者の命が救われたことがわかりました。
 人工知能は、このほかにも医師では診断が難しかった2人のがん患者の病名を突き止めるなど、合わせて41人の患者の治療に役立つ情報を提供しており、専門家は「人工知能が人の命を救った国内初のケースだと思う」と話しています。
 東京大学医科学研究所の附属病院は、アメリカの大手IT企業IBMなどと共同で、人工知能を備えたコンピューターシステムで、アメリカのクイズ番組で人間のチャンピオンを破った「ワトソン」に2000万件に上るがん研究の論文を学習させ、診断が極めて難しく治療法も多岐にわたる白血病などのがん患者の診断に役立てる臨床研究を昨年から進めています。
 このうち66歳の女性患者は当初、医師から「急性骨髄性白血病」と診断され、効果がある2種類の抗がん剤を組み合わせる標準的な治療を数カ月間、受けましたが、体の免疫機能を担う白血球の数は回復せず、高熱を出して意識障害を起こすなど容体が悪化し、その原因もわかりませんでした。
 このため、女性患者の1500に上る遺伝子の変化のデータをワトソンに入力し分析したところ、10分ほどで「STAG2」と呼ばれる遺伝子の変化が根本の原因を作り出している「二次性白血病」という別のがんにかかっていることを見抜き、抗がん剤の種類を変えるよう提案したということです。
 女性は治療が遅れれば、免疫不全による敗血症などで死亡していたおそれもありましたが、ワトソンが病気を見抜いたために命を救われ、無事退院しました。
 こうした病名の診断は、現在、複数の医師が遺伝情報のデータと医学論文を突き合わせながら行っているものの、データが膨大なために必ずしも結論にたどり着けるかどうかわからないということです。
 研究を行った東京大学医科学研究所の宮野悟教授は、「1人の医師がすべての膨大な医療情報を把握するには限界があり、情報を蓄積して自ら学習する人工知能の活用は医療の世界を変える可能性を秘めている」と話しています。
 また、人工知能学会の会長の山田誠二国立情報学研究所教授は、「人工知能が人の命を救った国内初のケースといってもいい。人工知能にとって医療やヘルスケアの分野は最も実用化が進む大きな市場になると予想され、今後も導入が進んでいくだろう」と指摘しています。
 こうした医療分野での人工知能の活用は、アメリカで先行しており、すでに複数の病院で白血病や脳腫瘍の治療の支援などに使われています。

 2016年8月5日(金)

■ジカ熱のワクチン開発、サルで感染防止に成功 アメリカの研究チーム [健康ダイジェスト]





 感染拡大が続くジカ熱(ジカウイルス感染症)について、アメリカなどの研究チームがサルを使った実験で、開発した3種類のワクチンによってジカウイルスへの感染を防ぐことに初めて成功したと、4日付のアメリカの科学誌サイエンス電子版で発表し、ワクチンの実用化に向けて弾みがつくと期待されています。
 蚊が媒介する感染症のジカ熱は、妊娠中の女性が感染すると頭部が先天的に小さい小頭症の新生児が生まれるおそれが指摘されており、ブラジルなど中南米のほか、アメリカでも地域に生息する蚊から感染したとみられるケースが報告されています。
 アメリカのハーバード大学や陸軍の研究所などの研究チームは、病原性をなくしたウイルスを使う「不活化ワクチン」と、人工的に作ったウイルスの遺伝子の一部を使った「DNAワクチン」、それに遺伝子を別のウイルスに組み込んで作ったワクチン、合わせて3種類を開発し、それぞれアカゲザルに投与しました。投与してから数週間のうちに、いずれのワクチンでもサルの体内でウイルスを無害化する抗体が増えました。
 そして、ジカウイルスを注射したところ、血液などからウイルスは検出されず、研究チームは、人に近いサルで、初めて感染を完全に防ぐことができたとしています。
 ジカ熱のワクチンを巡っては、アメリカの国立衛生研究所などが今回とは異なる「DNAワクチン」を18歳から35歳の健康な80人に投与して、安全性を確かめる臨床試験を始めており、さまざまな研究が進むことでワクチンの実用化に向けて弾みがつくと期待されています。
 一方、世界保健機関(WHO)は4日、蚊を媒介して感染するジカ熱について、最新の調査結果を発表しました。
 それによりますと、7月29日に、国内で生息する蚊からの感染が初めて報告されたアメリカが新たに加わり、これまでにジカ熱の感染が報告されたのは、中南米や東南アジアなど、68の国と地域となっています。
 また、妊娠中の女性が感染して新生児に小頭症などの悪影響が出たと報告されているのは14の国と地域で、このうちブラジルが1749例と最も多く、アメリカでも19例に上っているということです。
 WHOによりますと、国や地域によっては、ジカ熱の感染の報告が減っているところもあるということですが、引き続き警戒が必要だとしており、蚊に刺されないための対策を徹底するよう呼び掛けています。

 2016年8月5日(金)

■用語 三つ口 [用語(ま行)]





[キスマーク]上唇の一部に裂け目が現れ、唇が三つに分かれているような形を示す先天性異常
 三つ口とは、上唇(うわくちびる)の皮膚と筋肉の一部に縦の裂け目が現れ、鼻の下で唇が三つに分かれているような形を示す先天性異常。口唇裂、唇裂、兎唇(としん)、いぐち、欠唇(けっしん)とも呼ばれます。
 妊娠初期に複雑な発生の過程をへて、胎児の顔面が形成されます。胎生期第4~7週ころに、前頭突起(内側鼻隆起)と左右の上顎(じょうがく)突起が癒合して上唇ができます。この癒合が障害されると、三つ口になります。三つ口といえば通常、上唇の皮膚と筋肉の一部に裂け目が現れる上唇裂をいい、下唇に裂け目が現れる下唇裂は非常にまれです。
 この三つ口は、裂け目が鼻まで達する完全口唇裂、裂け目が鼻まで達しない不完全口唇裂、左右の唇のどちらか一方に裂け目がある片側口唇裂、左右両側に裂け目がある両側口唇裂、さらに、唇の縁の小さなへこみや、唇から鼻の穴までの傷跡のように見える軽微な三つ口である痕跡(こんせき)口唇裂に分けられます。
 三つ口は、さまざまな要因が複雑に絡み合って現れると考えられており、特定の原因があるわけではありません。口腔(こうくう)の発生にかかわる遺伝子の変異が関係したり、妊娠中の喫煙、胎内での風疹(ふうしん)感染、胎児脳内圧の異常高進、薬物、放射線障害などの環境要因が関係していると考えられています。染色体異常に伴う場合は、内臓疾患や生後の発育、発達の遅れがみられる場合があります。
 三つ口は単独でみられることもありますが、口と鼻を隔てている上顎(うわあご)に先天性に破裂が現れる口蓋裂(こうがいれつ)と合併した口唇口蓋裂が多くみられます。さらに、歯を支えている顎骨である歯槽骨の破裂が現れる顎裂(歯槽裂)を合併することもあります。
 三つ口の発生頻度は、全出産の0・08パーセントといわれています。三つ口、口蓋裂、口唇口蓋裂、顎裂を含めた発生頻度は、全出産の0・2パーセントといわれています。
 胎児の顔面の口や鼻が形成された後、胎生期第7~12週ころの間に、口の中では口蓋がつくられます。口腔と鼻腔の間に口蓋突起が左右から伸び、前方から後方へと癒合が進んで上顎(口蓋)が形成されます。この過程が障害されると、口蓋突起が最期まで癒合せずに口腔と鼻腔が破裂したままになり、口蓋裂ができます。
 口蓋裂は、口蓋の奥の部分の軟口蓋に破裂があるもの、口蓋の前方3分2の部分の硬口蓋に破裂があるもの、軟口蓋と硬口蓋の両方に破裂があるものに分けられます。
 生後すぐ、あるいは胎児期の超音波検査で、三つ口が認められます。
 口唇口蓋裂があると、歯の形態異常、欠損、歯列不正などが認められます。授乳障害もあり、母乳やミルクが鼻から逆流しやすくなったり、発音が鼻に抜けたりする症状がみられ、中耳炎、誤嚥(ごえん)性肺炎を合併することが多くみられます。
 出生後、三つ口のほか、口蓋裂、口唇口蓋裂、痕跡口唇裂が認められた場合は、口唇口蓋裂を専門に治療し、発育、発達の定期的なフォローも含め、総合的に診療している口腔外科、形成外科を紹介してもらい、受診することが望まれます。痕跡口唇裂の場合、外見上は軽微な変化であっても、その下にある口輪筋への影響があり、深刻度を判断してもらう必要があります。
[キスマーク]三つ口の検査と診断と治療
 口腔外科、形成外科の医師による治療は、矯正歯科、小児歯科、耳鼻咽喉(いんこう)科、言語聴覚士、小児科など各科の医師とのチーム医療で行われることが一般的です。
 口腔外科、形成外科の医師による治療は、形成手術が主体で、手術前にはホッツ床という柔らかい樹脂でできた入れ歯のようプレートを上顎にはめて、授乳しやすくします。
 手術時期は、三つ口と口蓋裂で異なり、発音機能と上顎の発育の両面を考えながら決めます。一般的には、三つ口はミラード法などで生後3カ月以後、体重5キログラムを目安に実施し、裂けた口唇の閉鎖と再建、変形した鼻の位置の適正化、口輪筋の連続性の再建を図ります。
 口蓋裂は1歳以降に、ファーロー法などの手術を実施し、口蓋部分における口腔と鼻腔の閉鎖、軟口蓋における口蓋帆挙筋などの左右に分かれた筋群の再建を図ります。
 高度な三つ口で、裂け目が鼻まで達する完全口唇裂では、初回の手術だけで完全な形態の再建が完成するとは限らず、就学前あるいは青年期に、口唇や鼻の二次的な修正手術を必要とすることがあります。言語聴覚士による発音の訓練も必要です。




■用語 ミクロペニス [用語(ま行)]



[喫茶店]ペニスが基準よりも小さい状態にある性機能疾患
 ミクロペニスとは、男性のペニス(陰茎)が基準よりも大幅に小さい状態にあり、生殖や性行為に支障を来す性機能疾患。マイクロペニス、矮小(わいしょう)陰茎とも呼ばれます。
 短小ペニスという呼び方もありますが、こちらは俗語であって医学的に定義されたものではなく、個人差の範囲にすぎないものを指している場合が多く認められます。これに対して、ミクロペニスは医学的に定義されたもので、性機能疾患として認められている疾患の一つです。
 ペニスの形態は正常であるものの、その大きさが平常時はもちろん、勃起(ぼっき)時でも一定の基準よりも小さく、成人男性で勃起時の長さが5センチ以下のものが、ミクロペニスと定義されています。勃起時でも長さ太さともに5ミリに達せず、陰嚢(いんのう)に埋没して、外見上は生まれ付きペニスを所有しない陰茎欠損症に見える極端な例もあります。
 性腺(せいせん)からのホルモンの分泌不足によって起こる性腺機能低下症が、最も多い原因と考えられています。また、全身的な症候群の一症状として、ミクロペニスがみられることもあります。積極的な治療を必要とするミクロペニスは、男児250人に1人程度に認められるとされています。
 ペニスの発達はまず、胎生期における生殖茎の分化、成長が基軸にあります。排泄腔(はいせつくう)ひだが左右ともに癒合し合って、生殖結節が形成され、その生殖結節が伸びた状態が生殖茎であり、その生殖茎が男性のペニス、女性のクリトリス(陰核)のベースになります。
 生殖茎は、おおよそ胎生12週までは男女ともに同様の分化、成長を続けます。その後、男性では胎児精巣(睾丸〔こうがん〕)から分泌される男性ホルモンの一種であるテストステロンの影響で、生殖茎が伸びていき、ペニスの形状をなしていきます。生殖茎は伸長に並行して、尿道ひだを引き込んで尿道を形成し、それに応じて尿道口が亀頭の先端に形成されます。
 この生殖茎の伸長と尿道ひだの引き込みが、テストステロンの分泌量が足りない場合に不十分に進行して、ミクロペニスと、尿道の出口が亀頭の先端になくてペニスの途中や陰嚢などにある尿道下裂の原因になります。
 また、第二次性徴期におけるテストステロンの分泌障害もまた、ペニスの成長発達を阻害し、結果としてミクロペニスを示すことがあります。
 胎生期ならびに出生後に発生するテストステロンの分泌障害は、精巣自体に問題がある原発性性腺機能低下症と、テストステロンの上位ホルモンで、脳下垂体から出される性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの分泌障害などが原因の続発性性腺機能低下症があります。
 こうしたテストステロンの分泌不足によって発生するミクロペニスなどの障害は、テストステロンの受容体の障害でも同様に発生します。
 原発性性腺機能低下症によってミクロペニスを示す疾患には、類宦官(るいかんがん)症や、クラインフェルター症候群などの染色体異常を示す疾患があります。クラインフェルター症候群では、第二次性徴の障害は続発性性腺機能低下症などに比較して少ないことが多く、成人後の勃起障害(ED)や男性不妊症で、クラインフェルター症候群自体が発見されることも珍しくありません。
 ミクロペニスでは、ペニスが小さすぎるために性交障害を生じる時があります。また、テストステロンの相対的な不足は勃起障害(ED)を引き起こし、これもミクロペニス同様の性交障害の原因になります。
 通常は新生児期に、医師や看護師による性別の確認が行われる際に見付かり、専門医に紹介されて治療が行われます。
[バー]ミクロペニスの検査と診断と治療
 小児泌尿器科、小児外科、泌尿器科、内分泌代謝科の医師による診断では、染色体分析検査、性ホルモンの測定、アンドロゲン(男性ホルモン)受容体の検査、超音波検査、X線造影検査、CTやMRI検査による内性器の存在確認を行います。
 また、埋没陰茎、翼状陰茎などと鑑別します。これらの疾患は、いずれもペニスが一定の基準より小さい、もしくは小さく見えるという疾患になります。
 小児泌尿器科、小児外科、泌尿器科、内分泌代謝科の医師による治療では、ミクロペニスは男性ホルモンであるテストステロンの分泌不全、もしくは機能不全が問題であることがほとんどなので、幼少期のテストステロン製剤による刺激療法を行います。テストステロン製剤には塗布薬と注射薬があり、病態に合わせて局所塗布か全身投与かを決めます。
 注射薬を用いて全身投与を行う場合、骨の成長を進行させる副作用があり、骨の発達が早期に完了してしまうリスクがあります。身長が伸びる思春期以前に、このホルモン療法を行うと、背が十分伸びないことがあります。
 また、子供をつくる生殖能力を獲得するために、性腺刺激ホルモンであるゴナドトロピンの注射など、上位ホルモンから性腺に刺激を与える治療を行うこともあります。
 ミクロペニスの成人以降の処置としては、自家移植手術の陰茎海綿体延長術が行われることもあります。大腿(だいたい)部や腹部から採取した真皮を使用して、ペニスの勃起機構の主体をなす陰茎海綿体に移植して、ミクロペニスの伸長を図ります。