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■無痛分娩で娘亡くした遺族、被害者の会を結成へ 全国で14人が死亡 [健康ダイジェスト]





 麻酔で出産時の痛みを和らげる「無痛分娩(ぶんべん)」による事故で娘を亡くした遺族が、再発防止を求め、近く「被害者の会」を立ち上げます。無痛分娩では、妊婦が死亡したり、重い障害が残ったりする事故が相次いでおり、対策が急務となっています。
 大阪府富田林市に住む安東雄志(ゆうじ)さん(69歳)は「娘の死を無駄にしたくない」として、ほかの被害者家族とともに、無痛分娩に携わる医師の研修の義務化など、再発防止策を国などに求めていきます。
 安東さんの3女、長村千恵さん(当時31歳)は2017年1月、大阪府和泉市の医院で無痛分娩で出産。麻酔後に呼吸困難になり、別の病院に搬送されたが意識は戻らず、そのまま亡くなりました。子供は帝王切開で生まれ、無事でした。
 大阪府警は、業務上過失致死容疑で男性院長(61歳)を書類送検。医師は容体急変後も適切な処置をとっておらず、府警の調べに「対応が追い付かなかった」と説明しました。しかし、大阪地検は4月、嫌疑不十分で医師を不起訴としました。
 無痛分娩は麻酔で出産時の痛みを和らげる出産方法で、母体への負担やストレスが少ないとされます。産後の回復が早いことなどから多くの場合、妊婦本人の希望で無痛分娩による出産を選択しているといいます。千恵さんも、腰痛を抱えていたことから無痛分娩での出産を選びました。安東さんは、「無痛分娩そのものが危険なのではなく、技量がない医師が何の備えもなく手術をしていることが問題だ」と話しています。
 相次ぐ事故を受け、厚生労働省研究班は昨年3月、無痛分娩を安全に行うために望ましい体制をまとめた提言書を公表。医療機関に対し、診療実績などの情報公開や医師、看護師らに定期的な研修を受けさせることなどを求めました。さらに、麻酔に習熟した常勤医が麻酔管理者として責任を持って診療に当たるなど、無痛分娩を行う医療施設の「望ましい体制」も提示しました。
 提言を受け、昨年7月に日本医師会や日本産科婦人科学会など関係機関が参加する「無痛分娩関係学会・団体連絡協議会」が発足。産婦人科医や麻酔科医の在籍数や、過去の無痛分娩での出産件数などの公表を始めたほか、医師を対象とした研修の方法についても検討を進めています。
 一方で、こうした取り組みに法的な拘束力はなく、安東さんは「義務化しなければ実効性のある再発防止策とはいえない」と指摘。国や関係機関に法改正を含めた抜本的な対策を求めていく考えで、「同じ思いを持っている人達と一緒に行動したい」と、「被害者の会」を立ち上げることを決めました。すでに、ほかの事故の被害者家族も参加の意向を示しているといい、具体的な活動内容の検討に入っています。
 日本産婦人科医会が病院や診療所を対象に行った調査では、無痛分娩での出産が確認されたのは2014年度で2万7719件。2016年度には3万6849件となっており、2年で約9000件増加しました。全体に占める割合は2016年度で6・1%。アメリカやイギリスなど欧米では出産する妊婦の20~30%が無痛分娩を選択しているとする調査結果もあり、潜在的なニーズはさらに高いとみられます。
 麻酔科医を常駐させるなど安全な体制を整備し、無痛分娩を行う医院もある一方で、麻酔や分娩中の処置を適切に行えず、妊婦の死亡や重篤な後遺症などを招くケースも少なくありません。日本産婦人科医会の調査では、2010~2016年に全国で少なくとも妊婦14人が無痛分娩中に死亡しました。

 2019年5月2日(木)
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