So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン
用語(あ行) ブログトップ
前の4件 | -

■用語 アミロイドーシス [用語(あ行)]



[天秤座]水に溶けない特殊な蛋白質が臓器や神経に沈着し、機能障害を起こす疾患
 アミロイドーシスとは、代謝異常により、アミロイドと呼ばれる特殊な線維状の蛋白(たんぱく)質が血管壁や心臓、腎臓(じんぞう)、消化管、末梢(まっしょう)神経などに沈着するために、さまざまな障害を起こす疾患の総称。アミロイド症、類デンプン症とも呼ばれます。
 1年間に、アミロイドーシスで医療機関を受診する人は全国で1500人程度と推定されており、発症者は1000~2000人に1人とされます。男女ともに、発症は20~40歳代に多く、慢性進行性に経過します。
 大きく、アミロイドが全身に沈着する全身性アミロイドーシスと、アミロイドが限られた臓器、組織に沈着する限局性アミロイドーシスの2つのタイプに分けられます。
 また、遺伝性家族性に現れてくる原発性アミロイドーシスと、慢性感染症や骨髄腫(しゅ)、糖尿病、リウマチ様関節炎、結核、がんなどに伴って現れる続発性アミロイド症に分けられます。原発性アミロイドーシスは、特定疾患(難病)の一つとして厚生労働省から指定されています。
 全身性アミロイドーシスは、さらに免疫細胞性アミロイドーシス、反応性アミロイドーシス(AAアミロイドーシス)、家族性アミロイドーシス、透析アミロイドーシスに分けられます。
 免疫細胞性アミロイドーシスは、免疫細胞の一種で、免疫グロブリンという蛋白質をつくっている形質細胞が過剰に増殖したり、がん化した場合に、大量の免疫グロブリンがつくられ、免疫グロブリンの一部分がアミロイドとなって全身に沈着していきます。
 反応性アミロイドーシス(AAアミロイドーシス)は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原(こうげん)病、がん(悪性腫瘍〔しゅよう〕)、結核などの炎症や感染症が治療困難な場合に、血清アミロイドA蛋白という蛋白質が著しく増加し、その状態が長期間続くと、血清アミロイドA蛋白の一部分がアミロイドとなって全身の沈着していきます。
 家族性アミロイドーシスでは、遺伝子の異常によって、正常とは異なった蛋白質が合成され、アミロイドの原因物質になることがあります。最も多いのは、トランスサイレチンという蛋白質の合成異常による異型トランスサイレチンです。このタイプのアミロイドは、特に手足の神経に沈着しやすく、30歳前後で発病し、全身に広がっていきます。特に、熊本県と長野県に発症者が多くみられる地域があり、遺伝形式は常染色体優性で、親から子供に50%の確率で伝わります。
 透析アミロイドーシスは、5年以上、血液透析を受けている慢性腎不全の患者にみられます。β2ミクログロブリンという蛋白質が血液中に著しく増加し、透析ではあまり除去できないために起こります。
 一方、限局性アミロイドーシスは、さらに脳アミロイドーシス、内分泌腺(せん)アミロイドーシスに分けられます。
 脳アミロイドーシスは、脳にアミロイドが沈着するもので、老人性認知症を引き起こすアルツハイマー病の原因とされています。
 内分泌腺アミロイドーシスは、甲状腺髄様がん、Ⅱ型糖尿病、インスリノーマなどの内分泌系の疾患がある場合に、その病変のある臓器に高頻度にアミロイドが沈着するものです。
 最近、アミロイドの構造、その原因物質が次々と明らかにされてきました。しかし、原因物質が何であれ、症状はアミロイドが沈着する臓器、組織によって決まります。よくみられる初期症状は発熱、下痢、患部のはれなどであるため、発見が遅れることが多くなっています。
 全身性アミロイドーシスでは多臓器の障害がみられ、初発症状は倦怠(けんたい)感、むくみ、蛋白尿、貧血、低蛋白血症、巨舌がみられます。腎不全、心不全、または感染症を併発すると、死に至ることがあります。
 限局性アミロイドーシスでは、腎臓に最も多くアミロイドの沈着が起こり、最初は、蛋白尿のみですが、進行するとネフローゼ症候群、腎不全となります。また、心臓にも高頻度にアミロイドが沈着し、心肥大、不整脈を起こし、心不全へと進行します。
 消化管への沈着も高頻度にみられ、頑固な下痢が続きます。手足の神経に沈着すると、知覚障害や筋力低下などを起こし、起立性低血圧、インポテンス、発汗低下などの自律神経障害も現れます。
 そのほか、気管支、肺、肝臓、脾臓(ひぞう)、皮膚、血管壁、関節などにも沈着し、さまざまな症状を現します。
 アミロイドの蓄積が進行し各器官に深刻な障害を起こすと、死に至ることもあります。
[天秤座]アミロイドーシスの検査と診断と治療
 内科、消化器科、消化器内科、循環器内科、リウマチ・膠原病内科などの医師による診断では、症状を手掛かりに、採血・採尿や画像検査、内視鏡検査などを行い、臓器障害を詳しく調べます。
 アミロイドーシスは原因蛋白によって病型タイプが分けられており、この分類によって治療方針が変わってきます。そのため、血清アミロイドA蛋白の測定や、尿中免疫グロブリンの軽鎖測定、遺伝子検索を含む病型を分けるための検査も同時に行います。最近では、家族性アミロイドーシスの原因物質の1つである異型トランスサイレチンの血中濃度を測ることが、可能となりました。
 さらに、生検といって胃十二指腸粘膜や腎臓などの病変臓器の組織の一部を採取して顕微鏡で調べる検査を行い、アミロイド沈着が確かめられた場合に、アミロイドーシスと確定します。
 内科、消化器科、消化器内科、循環器内科、リウマチ・膠原病内科などの医師による治療では、アミロイドーシスのタイプにより治療法は異なりますが、現在、決定的な治療法はありません。
  免疫細胞性アミロイドーシスには、免疫抑制薬とステロイド(副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン)剤を併用して治療します。最近では、自己末梢血幹細胞移植を併用することもあります。
 反応性アミロイドーシス(AAアミロイドーシス)には、関節リウマチや膠原病、がんなど原因となっている疾患を抗リウマチ剤、抗がん剤などを使用して治療します。最近では、血清アミロイドA蛋白の原因物質であるインターロイキン-6の働きを抑える薬剤であるトシリズマブという生物学的製剤によって、血清アミロイドA蛋血の産生を抑えることもあります。
 家族性アミロイドーシスには、異型トランスサイレチンが肝臓で合成されるため、肝臓移植などで進行を抑えることができます。
 透析アミロイドーシスには、β2ミクログロブリンだけを吸着する透析膜の開発が進められ、一部は実用化しています。



nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■用語 アスピリンじんましん [用語(あ行)]



[天秤座]アスピリンを始めとした非ステロイド性抗炎症薬の使用によって誘発されるじんましん
 アスピリンじんましんとは、アスピリンを始めとした解熱鎮痛薬である非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用することによって誘発され、じんましんや血管浮腫(ふしゅ)の症状が出る疾患。NSAIDs(エヌセイズ)過敏じんましん、NSAIDs過敏症皮膚型などとも呼ばれます。
 アスピリンは、発熱があった時などに使用する解熱鎮痛薬で、アセチルサリチル酸により作られています。非ステロイド性抗炎症薬は全般として、体内でプロスタグランジンという痛みを起こし、熱を上げる炎症物質が合成されるのを妨げる作用を持ち、解熱薬や鎮痛薬、抗炎症薬として幅広く用いられています。
 アスピリンじんましんを誘発しやすいのは、非ステロイド性抗炎症薬のうち酸性のものが知られています。酸性解熱鎮痛薬に共通してみられるシクロオキシゲナーゼ抑制作用、つまり体内でのプロスタグランジンの合成に作用するシクロオキシゲナーゼという酵素の働きを阻害する作用が関係しているのではないかと考えられていますが、アスピリンじんましんを誘発する真のメカニズムは不明です。
 アスピリンを始めとした非ステロイド性抗炎症薬の内服薬、座薬、注射薬、あるいは貼付(ちょうふ)薬、塗布薬を使用してから数分から半日で、副作用による急性の過敏反応により、皮膚に地図状に盛り上がった大小の赤いはれが生じ、かゆみを伴うじんましんや、まぶたや唇がはれる血管浮腫の症状が現れます。
 じんましんは体のどんな部位にも現れ、全身に生じることもあります。血管浮腫が現れた場合は、顔全体がはれてきて、話しづらくなったり、目が開けづらくなったりすることもあります。
 じんましんは基本的には24時間以内に、遅くとも48時間以内に消えますが、血管浮腫は翌日になるとさらに症状が悪化し、数日間持続することもあります。
 皮膚症状のほかに、咽頭(いんとう)浮腫によるのどの詰まり、息苦しさ、せき、腹痛、吐き気などが起こった場合は、アナフィラキシーショックにつながる危険があります。アナフィラキシーショックは、急激に全身の血管が拡張することによる血圧低下、呼吸困難、意識障害などが起こり、生命の危険がある状態で、緊急の治療を必要とします。
 もともと慢性じんましんがベースにある人の20~35%は、非ステロイド性抗炎症薬の使用によって、じんましんが発症もしくは増悪する可能性があるといわれています。ふだんは全く症状が出ないのに、非ステロイド性抗炎症薬を使用した時だけ、じんましんなどの症状が出る人もいます。
 過労なども誘因になりやすいことが知られており、非ステロイド性抗炎症薬の使用した時の体調により、症状が現れる程度が異なり、同じ非ステロイド性抗炎症薬や量で必ず症状が現れるわけではありません。一般には、効き目の強い非ステロイド性抗炎症薬ほど、症状が現れやすいことが知られています。
 アスピリンじんましんを発症する体質が疑われる人は、市販の風邪薬や、少量の解熱鎮痛成分の入った湿布、目薬などを使用する際は、常に慎重を期す必要があります。また、色素や防腐剤などの食品添加物でも症状が出ることがあるので、注意を要します。
 じんましんの症状が出たもののすぐに消失したというような軽度の場合は、自宅で様子をみても大丈夫ですが、副作用を放置していると重くなり健康に影響を及ぼすことがあるので、次に非ステロイド性抗炎症薬を使用する際は医師や薬剤師に報告し、指示を仰ぐことが大切です。
 特に息苦しさを感じた場合は、アナフィラキシーショックを起こす可能性もあるため、救急車などを利用して直ちに内科、アレルギー科を受診してください。その際は、使用した非ステロイド性抗炎症薬と服用時間を伝えてください。
[天秤座]アスピリンじんましんの検査と診断と治療
 内科、アレルギー科の医師による診断では、詳細な問診を行い、過去に非ステロイド性抗炎症薬の使用により、明らかにじんましんや血管浮腫の症状が誘発されたことがあるかどうかを確認します。
 また、アスピリンあるいは他の非ステロイド性抗炎症薬の吸入や経口負荷試験により病状を判断します。アレルギー反応ではないので、薬剤アレルギーの血液検査やプリックテストなどの皮膚テストは陰性になります。
 内科、アレルギー科の医師による治療では、アスピリンじんましんの根本原因が不明で完全な予防策がないため、解熱鎮痛薬である非ステロイド性抗炎症薬の服用を避け、医薬品や食品の添加物を除外することが処置となります。
 軽症の場合は、抗ヒスタミン薬による内服治療を行います。中等症で医師が必要と判断した場合は、症状に応じ抗ヒスタミン薬とリン酸エステル型ステロイド薬の点滴などを行います。
 アナフィラキシーショックを起こしている場合は、アドレナリンの筋肉注射、抗ヒスタミン薬とリン酸エステル型ステロイド薬の点滴などを行います。急速な進行例では、アドレナリンの筋肉注射だけでなく点滴も考慮します。




nice!(7)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■用語 エリテマトーデス [用語(あ行)]



[天秤座]膠原病の一つで、顔面などに生じる紅斑を主症状とする疾患
 エリテマトーデスとは、顔面などに生じる紅斑(こうはん、エリテマ)を主症状とする疾患。紅斑性狼瘡(こうはんせいろうそう)とも呼ばれます。
 膠原(こうげん)病の一つで、自己免疫性疾患のうち最も代表的なものです。
 急性で全身が侵される全身性エリテマトーデスと、慢性で皮膚に限局して円形の紅斑が現れる円板状エリテマトーデスに大別され、この間に中間型、移行型があります。
[天秤座]全身性エリテマトーデスは全身に症状が現れる膠原病の一つ
 全身性エリテマトーデスは、全身に症状が現れる疾患で、代表的な膠原病の一つ。全身性紅斑性狼瘡とも呼ばれます。
 現在の日本では10万人に7〜8人の発症率で、発症しやすい年齢は20歳〜40歳、その90パーセントは女性です。
 発症させる原因は、まだ解明されていません。体質、素因、免疫の異常、環境因子が関係して発症すると推定されています。免疫の異常は、自分の体の成分に対して反応する異常であるために、自己抗体が血液中にみられます。特に抗核抗体、中でもDNA(デオキシリボ核酸)に対する抗体が血液中に現れるのが、特徴です。
 全身性エリテマトーデスを発症させる誘因には、海水浴やスキーなどで強い紫外線を浴びたり、薬剤、ウイルス感染、外傷、ストレス、さらには妊娠、出産などがあります。
 全身性エリテマトーデスの最も特徴的な症状は、皮膚の露出部に赤い斑点である紅斑が現れることです。顔では鼻を中心に両側の頬(ほお)にかけて、蝶(ちょう)が羽を広げたような形の蝶型紅斑ができます。また、手のひら、つめの周囲、足の裏、胸にも紅斑がみられます。
 紅斑は厚く盛り上がることもありますが、痛みやかゆみはありません。ただし、紅斑が治った跡に瘢痕(はんこん)が残ったり、色素沈着や色素脱失になることがあります。
 髪の毛が抜けたり、つめが変形したり、日光に当たるとひどい日焼けをして火膨れができる光線過敏症などもみられます。寒冷刺激や精神的ストレスに反応して、手や足の指が真っ白になったり、青紫色になったりし、しびれ、冷感、痛みなどの症状を伴うレイノー現象も、よくみられます。
 内臓に現れる症状では、腎(じん)臓がよく侵されます。これはループス腎炎と呼ばれ、むくみや蛋白(たんぱく)尿がみられますが、初期には症状として出にくいため要注意。心膜や胸膜に炎症が起こることもあり、胸痛、発熱を起こします。
 脳や神経に障害が起こると、けいれん、まひがみられることもあります。関節痛もみられますが、関節リウマチのような関節の変形、運動機能の障害はありません。
[天秤座]全身性エリテマトーデスの検査と診断と治療
 皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、免疫血清や血液の検査を行います。免疫血清検査では、全身性エリテマトーデスに高頻度にみられる血清中の抗核抗体を調べます。また、血液検査によって、貧血の程度や白血球減少、血小板減少の有無を調べます。
 そのほか、尿や血液の検査によって、ループス腎炎やネフローゼ症候群、腎臓の機能障害が起こっていないかを調べます。また、侵された臓器の病状を知るために、必要に応じてX線検査、CT検査、MRI検査、心電図などの検査を行います。
 皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療においては、内臓の炎症にはステロイド薬(副腎〔ふくじん〕皮質ステロイド薬)が有効で、効果を発揮しています。炎症が強くて症状が重い場合には、大量に投与され、症状が安定すれば徐々に量を減らしていきます。腎臓に障害が現れた場合には、免疫抑制剤が用いられたり、血漿(けっしょう)交換療法が行われることもあります。
 ステロイド薬の使用により、予後はかなり改善しましたが、治療に用いられる薬はいずれも副作用があります。加えて、いつ、どれぐらいの期間をかけて投与量を減らすかが非常に難しいため、医師の指示を守って治療を続けることが大切。腎臓の機能低下が起こった場合には、血液透析が必要になります。
 生活上の注意としては、全身性エリテマトーデスを発症させる誘因があると悪化するため、強い紫外線や感染症には細心の配慮が必要です。治療のためにステロイド薬を使うと感染症にかかりやすくなるため、清潔を心掛け、インフルエンザが流行している時期は人込みを避けるなど、注意します。
 比較的若い女性がかかることが多いため、妊娠や出産の問題があった際には、医師に相談します。病状が安定していれば、妊娠、出産は十分に可能です。また、経済的な問題では、全身性エリテマトーデスは厚生労働省の特定疾患に認定されているので、医療費の助成を受けることができます。
[天秤座]円板状エリテマトーデスは皮膚限局型エリテマトーデスの一つ
 円板状エリテマトーデスは、日光露出部である頭部、顔面、四肢などに、円板状の紅斑が好発する原因不明の皮膚疾患。慢性円板状エリテマトーデス、円板状紅斑性狼瘡とも呼ばれます。
 膠原病の代表的な疾患で全身性の症状を伴う全身性エリテマトーデスと異なり、皮膚症状のみ出現する皮膚限局型エリテマトーデスの1つであり、慢性型のサブタイプに相当します。皮膚限局型エリテマトーデスには、急性型、亜急性型、中間型のサブタイプもあります。
 円板状エリテマトーデスの症状は、類円形ないし不整形で、魚の鱗(うろこ)のようにはがれる鱗屑(りんせつ)を伴う円板状の紅斑が多発することを特徴とします。
 円板状の紅斑は境目がはっきりしていて、頬、鼻、下唇、頭部など、日光が当たる部位にできます。皮膚面より少し盛り上がり、中心部は硬くなったり委縮していたりして、引きつったようになっています。口唇に症状が出る時はびらん、頭皮に症状が出る時は脱毛を伴うことがあります。また、かいたり刺激を与えたりすると、その部位に新たな円板状の紅斑が広がる傾向にあります。
 この皮膚病変は、治癒過程で色素沈着ないし色素脱失、委縮を生じ、瘢痕を残します。ほかの症状として、発熱や倦怠(けんたい)感がみられることもあります。
 全身性エリテマトーデスと異なり、全身の臓器障害はみられませんが、一部が全身性エリテマトーデスへ移行することがあります。全身性エリテマトーデスへ移行すると、円板状の紅斑が全身に広がり、内臓の炎症、腎臓の機能障害が起こります。
 円板状エリテマトーデスは、35~45歳の女性が発症しやすいとされています。
 現在のところ、円板状エリテマトーデスを発症する原因はわかっていません、しかし、紫外線や寒冷刺激、美容整形、妊娠・出産、タバコ、ウイルス感染、薬物などが関係していると考えられています。
 全身性エリテマトーデスは、免疫システムが自己の細胞を攻撃する自己免疫が原因だとされていますが、円板状エリテマトーデスは自己免疫とは無関係と考えられています。皮膚が抗原刺激や物理的刺激を受けることで、白血球のうち、リンパ球と呼ばれる細胞の一種であるT細胞が増殖し、細胞間で情報を伝えるタンパク質であるサイトカインの生成が促進され、症状が現れると推測されています。遺伝との関係は、親族内や双子で発症する例が少ないことから、可能性は低いと考えられています。
 円板状の紅斑ができて治りにくい場合、円板状エリテマトーデスの可能性があります。日光を避けて、皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診しましょう。治った後でも、まれに皮膚がんである有棘(ゆうきょく)細胞がんの発生母地となることがあるため、症状が軽くてもしっかり治療をすることが大切となります。
[天秤座]円板状エリテマトーデスの検査と診断と治療
 皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、視診をした上で、皮膚生検といって皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる検査を行い、円板状エリテマトーデスと確定します。
 血液検査を行うこともありますが、発症者の多くはほかの臓器に変化を伴わず正常です。しかし、一部の患者では、血液沈降速度(血沈)の高進、抗核抗体陽性、白血球減少がみられ、全身性エリテマトーデスに移行することがあります。
 皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、瘢痕が残った皮膚病変を治すことはできませんが、新しい円板状の紅斑が広がらずに限られた範囲にできている場合は、ステロイド薬(副腎〔ふくじん〕皮質ステロイド薬)の軟こうを直接塗ることが一般的です。目立つほど顔にできている場合や、頭皮の脱毛がひどい場合は、内服のステロイド薬を使用します。
 また、内服薬ではヒドロキシクロロキンなどのマラリア治療薬が皮膚症状に有効であり、欧米では第1選択薬の1つです。以前の日本では副作用のために使用が禁止され保険適応がありませんでしたが、2015年に承認されました。ヒドロキシクロロキンの長期間の効果としては半数弱の人に有効であり、残りの半分強は、内服のステロイド薬などが必要になります。
 免疫抑制剤の1つであるレクチゾールやミゾリビンの内服も有効なことがわかっていますが、貧血などの副作用が現れやすいため、慎重に使用する必要があります。
 全身性エリテマトーデスを合併する場合には、内臓の炎症に対して内服のステロイド薬が有効で、効果を発揮しています。炎症が強くて症状が重い場合には、大量に投与し、症状が安定すれば徐々に量を減らしていきます。腎臓の障害に対して、免疫抑制剤を用いたり、血漿交換療法を行うこともあります。
 円板状エリテマトーデスの悪化を防ぐためには、紫外線を避ける必要があります。肌の露出を控えるために、日焼け止めや帽子、サングラス、長袖(ながそで)などの対策が大切です。肌に過剰な刺激を与えることも悪影響なので、かゆみがある時でもかいたり刺激を与えないように気を付ける必要があります。薬を塗る時なども、手を洗い清潔な状態で塗るようにします。
 寒冷による刺激も極力受けないほうがいいため、しっかりと防寒することが重要で、夏場は清潔な服を着る、通気性のよい天然素材の洋服を着るなどの対策も大切です。加えて、ストレスを避け、適度な運動と休養をとり、バランスのとれた食事をします。




nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

■用語 アミロイド肝 [用語(あ行)]



[天秤座]肝臓にアミロイド線維蛋白が沈着することが原因で、肝障害が生じる疾患
 アミロイド肝とは、ナイロンに似たアミロイド線維蛋白(たんぱく)と呼ばれる異常な蛋白が肝臓に沈着することが原因で、肝障害が生じる疾患。
 アミロイド線維蛋白は心臓、腎臓(じんぞう)、肝臓、脳、消化管のどこかに限局して沈着するほか、全身に沈着して臓器障害を起こすことがあります。前者を限局性アミロイドーシス、後者を全身性アミロイドーシスといいます。
 肝臓は特にアミロイド線維蛋白が沈着しやすい部位で、沈着した肝臓をアミロイド肝といいます。通常は、全身性アミロイドーシスの一部分症として発症します。
 アミロイドーシスは原因となる蛋白質が凝集して、アミロイド線維蛋白として臓器に沈着することで発症しますが、アミロイド線維蛋白にはいくつかの種類があります。肝臓に沈着するアミロイド線維蛋白は、免疫グロブリン(ALアミロイドーシス)あるいは血清アミロイドA(AAアミロイドーシス)という蛋白質に由来します。ALアミロイドーシスでは25〜80%、AAアミロイドーシスでは15%程度、肝臓にアミロイド線維蛋白の沈着がみられます。
 また、血清アミロイドAに由来する続発性アミロイドーシス(AAアミロイドーシス)では、関節リウマチなどを基礎疾患としてアミロイド肝を発症します。
 最も多い症状は、肝臓がはれる肝腫大(しゅだい)ですが、肝障害は軽度です。腫大した肝臓は、ほかの原因で腫大した肝臓に比べて非常に硬いことが特徴で、「岩のような硬さ」とも表現されます。その割に、肝臓を押して出る圧痛はありません。
 全身性アミロイドーシスになると、倦怠(けんたい)感、むくみ、蛋白尿、貧血、低蛋白血症、巨舌がみられます。腎不全、心不全、または感染症を併発すると、死に至ることがあります。
 遺伝性のもの、原因不明のもの、多発性骨髄腫や膠原(こうげん)病、がん、腎不全による長期透析に伴って起こるものがありますが、免疫グロブリンなどの原因となる蛋白質からアミロイド線維蛋白が過剰に体内でつくられ、沈着する仕組みは不明です。
 アミロイド肝はほかの肝臓病と同様に、発症しても自覚症状が出にくいため、多くはネフローゼ症候群や心不全などほかの臓器の症状で、全身あるいはほかの臓器のアミロイドーシスとして発見され、その後全身の精密検査を行ってアミロイド肝も診断されます。高頻度に肝腫大を起こすため、肝腫大で発見されることもあります。
 ほかの臓器の症状があり、肝臓の腫大に気付いたら、すぐに内科、消化器科、消化器内科の医師に相談してください。
[天秤座]アミロイド肝の検査と診断と治療
 内科、消化器科、消化器内科の医師による診断では、直腸生検か肝生検によって、直腸や肝臓の組織にアミロイド線維蛋白の沈着が証明されれば、アミロイド肝と確定します。
 出血の危険性が約5%ほどありますので、肝臓の組織をとって検査する肝生検は積極的には行われていません。生検できた場合は、特殊に染色をし、アミロイド線維蛋白の沈着を証明していきます。同時に、特異抗体を用いた免疫組織化学染色という方法で、沈着しているアミロイド線維蛋白の種類を決めていきます。
 肝臓の検査だけでなく、全身の精密検査を行うこともあります。血液検査では、血清アルカリホスファターゼと呼ばれる酵素の数値がやや標準より高い数値になり、肝臓病特有の黄疸(おうだん)の症状が出た場合は、かなり進行した状態で予後不良です。画像診断では、肝臓の腫大が認められてもあまり特徴的な所見はありません。
 鑑別診断としては、肝腫大を示すすべての肝疾患が挙げられますが、中でも肝硬変、びまん性肝細胞がん、あるいはヘモクロマトーシスなどの代謝性肝疾患などを除外する必要があります。
 内科、消化器科、消化器内科の医師による治療では、全身性アミロイドーシスの一部分症なので、一般には全身性アミロイドーシスとしての治療を行います。
 続発性アミロイドーシス(AAアミロイドーシス)では、新たなアミロイド線維蛋白の産生を抑制するために、原因となる関節リウマチなどの基礎疾患を治療することが原則です。最近は、末梢(まっしょう)血幹細胞移植(PBSCT)を用いた大量化学療法の有効性も報告されています。
 肝臓にできたアミロイド線維蛋白は溶けにくい性質であるため、いったん沈着したら除去することは非常に困難で、それぞれの症状に対しての対処療法が主体となります、ただし、ジメチルスルホキシド(DMSO)という薬剤は、アミロイド線維蛋白を溶解する可能性が示唆されていて、内服や皮膚外用塗布として用いられています。
 すでにほかの臓器にアミロイドーシスの症状が出ていて、さらに肝臓にも症状が出ている場合は、治療に長い時間がかかります。全身性で進行が極めて速い場合は、命にかかわるような危険性もあります。黄疸の進行など肝不全の兆候がある場合は、肝臓移植も勧められています。




nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:健康
前の4件 | - 用語(あ行) ブログトップ