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■用語 空気嚥下症 [用語(く)]





[キスマーク]唾液とともに空気を飲み込む量が増え、げっぷや腹部膨満感が現れる状態
 空気嚥下(えんげ)症とは、唾液(だえき)とともに空気を飲み込む量が増え、げっぷや腹部膨満感が現れる状態。呑気(どんき)症とも呼ばれます。
 頻度はそれほど多くありませんが、ほとんどは精神的な要因によって生じ、治療が難しいこともあります。
 また、空気嚥下症に加えて、無意識のうちに奥歯を噛(か)みしめる動作による緊張が首や肩に波及し、肩凝り、側頭部痛、頭痛、あごや目の痛み、腕のしびれなどをもたらすことがあり、これを噛みしめ呑気症候群と呼びます。
 正常な人でも、食事の際に食べ物と一緒に多少の空気を飲み込みますが、空気嚥下症の人では、食べ物の摂取とは無関係に無意識に大量の空気を嚥下します。
 精神的に不安定な状態である抑うつ、神経症(神経症性障害)、ヒステリーなどの時に、起こりやすくなります。そのほかには、呼吸不全、心不全などを起こした時に現れることもあります。原因については、ほかの機能性疾患に比べて明らかにされているとはいいにくいのが現状です。
 異常に大量の空気を繰り返し飲み込むことによって、げっぷや腹部の膨満感、上腹部の不快感、腹鳴、吐き気などの症状を起こします。
 上腹部の不快感を紛らわすために空気の飲み込みを繰り返すことが多く、食道や胃に飲み込んだ空気を繰り返しげっぷとして吐き出す習慣があります。げっぷをしても、必ずしも腹部の膨満感が軽減するわけではありません。
 同様の症状が食道や胃腸などの消化器官の疾患でも起こることがあるので、まず消化器科を受診することが勧められます。消化器官に器質的疾患がないことが判明したら、まず心配はありません。どうしても気になる場合は、心療内科や精神科を受診することが勧められます。
 噛みしめ呑気症候群の場合は、口腔(こうくう)外科、歯科を受診するとよいでしょう。
[キスマーク]空気嚥下症の検査と診断と治療
 消化器科、あるいは心療内科、精神科の医師による診断では、まず腹部X線(レントゲン)検査、胃X線造影(胃バリウム)検査あるいは内視鏡検査、腹部超音波(エコー)検査、腹部CT(コンピュータ断層撮影)検査などを行い、食道や胃腸などの消化器官に器質的な疾患がないことを確認します。
 消化器科、あるいは心療内科、精神科の医師による治療では、原因が未解明で特有の改善方法がないため、症状の理解、空気を嚥下する習慣や食生活の改善、不安や緊張の緩和などを図ります。食事はゆっくりとよく噛んで食べるようにすること、ビール、炭酸飲料、甘い物、脂の多い物、香辛料などは避けるようにすることを勧めます。
 薬物療法としては、比較的症状の軽い場合には消泡薬、消化酵素薬、消化管機能改善薬などを使用し、重い症状の場合には抗うつ剤や抗不安剤などの向精神剤を使用します。
 噛みしめ呑気症候群では、マウスピース(スプリント)の装着によって症状が改善する場合があります。




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■用語 クリグラー・ナジャール症候群 [用語(く)]





[雷]遺伝的体質により、ビリルビンが体内から排出されにくいために黄疸を生じる疾患の一つ
 クリグラー・ナジャール症候群とは、遺伝的体質により、生まれながらにしてビリルビン(胆汁色素)が体内から排出されにくいために、黄疸(おうだん)を生じる疾患。先天性ビリルビン代謝異常症とも呼ばれ、体質性黄疸の一つに相当します。
 血液の赤血球の中には、ヘモグロビン(血色素)という物質が含まれています。ヘモグロビンは酸素を運ぶ役割を担っているのですが、寿命を120日とする赤血球が古くなって壊される際に、ヘモグロビンが分解される過程でビリルビンが作られます。
 本来、脾臓(ひぞう)などで作られたビリルビンは血液に入ってアルブミンと結合し、肝臓に運ばれグルクロン酸抱合(ほうごう)を受けて解毒され、続いて、肝臓で生成される消化液である胆汁の中へ排出され、その胆汁の成分として胆道を通って小腸の一部である十二指腸の中に排出され、最終的には便と一緒に体外へ排出されます。便の黄色は、このビリルビンの色です。
 ビリルビンが体内で異常に増え、体内に一定量以上残った場合は、組織に蓄積するために皮膚などが黄色くなり、これを黄疸といいます。
 従って、赤血球や肝臓の細胞が急に壊された時や、胆道が結石や悪性腫瘍(しゅよう)などで閉塞(へいそく)した時などに、黄疸はよく現れます。しかし、このような疾患がないにもかかわらず、しばしば黄疸を認める場合はクリグラー・ナジャール症候群などの体質性黄疸が疑われ、その原因はビリルビンの肝臓の細胞の中への取り込みや、十二指腸の中への排出がほかの人より行われにくいという遺伝的なものと見なされます。
 クリグラー・ナジャール症候群では、新生児期から発症し、黄疸を生じます。
 特徴は、脂溶性で細胞毒性の強い間接型ビリルビン(非抱合型ビリルビン)を、水溶性で細胞毒性の弱い直接型ビリルビン(抱合型ビリルビン)に変換するグルクロン酸抱合酵素の活性が低下しているため、グルクロン酸抱合を受けていない間接型ビリルビン優位の高ビリルビン血症を示すことです。
 変換酵素の活性が完全に欠けているため、生後まもなくから長引く核黄疸、もしくはビリルビン脳症と呼ばれる状態を示す生命予後の不良な重症型と、酵素の活性は正常の10パーセント未満を示すものの、問題なく成長し、黄疸以外の症状は認められない軽症型があります。
 いずれの型も家族性に発症し、遺伝形式は常染色体劣性とされていますが、軽症型の中には、常染色体優性遺伝の形式をとるものもあります。
 変換酵素の活性がゼロの場合には、高度の新生児黄疸を来してビリルビンが脳細胞まで侵すことがあり、後遺症を残したり、幼児期のうちに死亡してしまうこともあります。
[雷]クリグラー・ナジャール症候群の検査と診断と治療
 小児科、あるいは内科の医師による診断では、血清中の間接型ビリルビン値の上昇、および胆汁中の直接型ビリルビン値の低下により判断します。
 重症型と軽症型の区別には、フェノバルビタールという薬剤を投与し、間接型ビリルビンを直接型ビリルビンに変換する酵素の有無を調べる方法があり、酵素の活性が残っている場合には活性の上昇が認められます。
 小児科、内科の医師による治療では、クリグラー・ナジャール症候群の重症型の場合、間接型ビリルビン値を下げるために、光エネルギーでビリルビンをサイクロビリルビンに変化させて排出させる光線療法を行ったり、ビリルビン合成を抑えるための薬剤、便への排出を促すための薬剤を投与します。
 しかし、成長とともにこれらの治療効果が低下し、最終的には肝移植療法が必要になります。
 クリグラー・ナジャール症候群の軽症型の場合、フェノバルビタールの投与が有効です。




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■用語 クラインフェルター症候群 [用語(く)]





[トイレ]男性の性染色体にX染色体が1つ以上多いことで生じる先天的な疾患
 クラインフェルター症候群とは、男性の性染色体にX染色体が1つ以上多いことで、女性化とみられる特徴を生じる一連の症候群。
 1942年に、ハリー・クラインフェルターによって初めて紹介された性染色体異常です。
 通常の男性の性染色体XY、通常の女性の性染色体XXに対して、クラインフェルター症候群の男性の性染色体はX染色体が1つ多いXXYとなっています。一般に染色体すべてを総合して、47, XXYと表現されます。
 また、X染色体が2つ以上多い48, XXXY、49, XXXXYや、48, XXYY、さらに46, XY/47, XXYのモザイク型もあります。
 細胞分裂期の性染色体不分離で過剰に生じたX染色体が、クラインフェルター症候群の原因です。過剰に生じたX染色体の由来は、父母半々とされており、高齢出産がその一因とされています。
 クラインフェルター症候群の80〜90パーセントを占めるXXY染色体の発生頻度は、新生児の男児1000人から2000人に1人とされ、決して珍しい異常ではありません。
 過剰に生じたX染色体が多いほど、障害の傾向も強くなります。しかし、X染色体の数の異常があればクラインフェルター症候群の症状が高確率で出るわけではなく、X染色体が1つ以上多い組み合わせの染色体を持ちながら症状が全く出ないケースのほうが多く認められます。
 アンドロゲン不応症と似通っていますが、アンドロゲン不応症は染色体異常ではなく、男性ホルモンの受け皿が働かないために、男性への性分化に障害が生じる先天性の疾患群であり、別の疾患です。
 クラインフェルター症候群の男児は、通常の男性器を持って生まれ、幼児期、学童期には特に症状はみられず、ほぼ正常な第二次性徴的変化を認めます。しかしながら、第二次性徴ごろから胴体の成長が止まる一方で、首や手、足などが成長するため、肩幅が狭く高身長で、手足の長い細身の体形になる人が多いとされます。
 原発性の性腺(せいせん)機能低下症(高ゴナドトロピン性性腺機能低下症)を示すために、思春期から精巣の発達が進まず、精巣が小さいために無精子症となります。そのため、正常な勃起(ぼっき)能力と射精能力などの完全な性能力を持ちながら、男性不妊となります。
 そのほか、ひげや恥毛の発育不全、乳腺(にゅうせん)がいくらか発達した女性化乳房、腹壁脂肪過多、筋力低下、性欲低下、骨密度の低下など多彩な症状を示します。
 男性乳がんやメタボリック症候群、糖尿病などを成人期に発症しやすい体質も伴います。さらに、男性ホルモン不足による更年期障害や骨粗鬆(こつそしょう)症を中年以降に発症しやすい体質も伴います。
 発語の障害、言語の障害の可能性も高く、これが学校や社会での学習障害の原因となります。性自認は大多数が通常男性ですが、性同一性障害を伴う人もいます。
 なお、46, XY/47, XXYのモザイク型で正常なXYの染色体が混在するタイプの場合には、少ないながらも精巣内で精子形成も認められ、子供を持つことができる人もいます。
 外見上からの診断が難しく、思春期前にクラインフェルター症候群と診断されるのは、10パーセントに満たないともされています。多くは成人となり、男性不妊の原因精査によって診断されています。
[トイレ]クラインフェルター症候群の検査と診断と治療
 小児科、ないし内分泌科の医師による診断では、通常、血液を用いた染色体検査を行い、クラインフェルター症候群と確定します。
 また、血液検査を行い、男性ホルモンのテストステロンの低値、黄体化ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)高値を確認します。精液検査を行い、無精子症または極乏精子症を確認します。
 小児科、内分泌科の医師による治療では、テストステロン補充療法を行います。通常、一生涯継続することになります。思春期に治療開始できた場合、正常な第二次性徴の発達など、良好な効果が期待できます。
 男性不妊症に対する治療として、卵細胞質内精子注入法を行うと、健常児の出産も可能になってきています。




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■用語 くるみ割り症候群 [用語(く)]





[ダイヤ]左側の腎臓の静脈が動脈に圧迫されることが原因となって、目で見て赤い尿が出る疾患
 くるみ割り症候群とは、左側の腎臓(じんぞう)からの出血のために、目で見て明らかに赤い尿が出る疾患。ナットクラッカー症候群、ナッツクラッカー症候群、左翼腎静脈わな症候群、左腎静脈捕捉(ほそく)症候群などとも呼ばれます。
 まれな疾患で、その多くは小児から思春期前後に発症します。成人では、やせた人によくみられるともいわれています。
 右側の腎臓の静脈は下大静脈(かだいじょうみゃく)にすぐに合流しますが、左側の腎臓の静脈は下大静脈に合流する途中で、上腸間膜動脈と腹部大動脈の間を通り、くるみ割りの器具(ナットクラッカー)に挟まったような状態になっています。この静脈が2つの動脈に挟まった部位で、動脈圧が高く静脈圧が低いために静脈が押しつぶされると、静脈内圧が上がって静脈の血液の流れが悪くなるために、左側の腎臓の毛細血管がうっ血や出血を来し、排尿時に赤い尿が出ます。
 身体的には無症状で、目で見て赤い肉眼的血尿のみが認められる場合が多く、一定の時を置いて起こる間欠的な血尿が認められます。血尿は、ピンク色から鮮紅色で、コーラのように色の濃いこともあります。
 尿の中に混ざる赤血球の程度によって、多ければ目で見て明らかに赤い肉眼的血尿となり、少なければ見た目は正常な尿の色でも赤血球が混ざっている尿潜血、または顕微鏡的血尿の状態になります。くるみ割り症候群でも、検診などによって尿潜血を認めることによって発見されるケースが多くみられます。
 症状が重いケースでは、血尿のほかに、片腹部痛、腰痛、貧血、精巣静脈瘤(りゅう)、卵巣静脈瘤、起立性蛋白(たんぱく)尿がみられることもあります。精巣静脈瘤、卵巣静脈瘤があると、不妊の原因になることもあります。
 こうした一部のケースを除き、くるみ割り症候群の予後は良好で、多くは時間の経過とともに、他の静脈への側副血行路といわれる血液の別ルートが発達しますので、自然に治ることがほとんどです。
[ダイヤ]くるみ割り症候群の検査と診断と治療
 泌尿器科、腎臓内科の医師による診断では、出血の部位が左側の腎臓であることを膀胱(ぼうこう)鏡で確認後、造影剤を静脈注射して撮影する造影CT(コンピューター断層撮影)検査、腹部超音波(エコー)検査などを行います。
 腹部超音波検査の際には、左側の腎臓静脈、卵巣静脈、副腎をよく観察し、それぞれの拡張や、腎臓静脈の周囲の循環系による圧迫、狭窄(きょうさく)がないかどうかに注意します。超音波検査法の一種である超音波ドップラー法という検査を行い、腎臓静脈を観察し、狭窄部位から下大静脈への血流速度の計測をすることもあります。
 泌尿器科、腎臓内科の医師による治療は、基本的には不要で、側副血行路が発達し自然に治ることが多いものの、薬物療法として、抗プラスミン薬などの止血薬を使用して、血尿を止めます。
 貧血が進行するほどの肉眼的血尿が持続する場合には、尿管カテーテルを用いて、1~3パーセントの硝酸銀を腎盂(じんう)内へ注入して、出血している静脈を凝固させる治療を行うこともあります。
 それでもうまく出血のコントロールができない場合には、左側の腎臓静脈の狭窄部位に、血管の中で拡張して適切な太さに保つステントと呼ばれる機器を挿入する手術を行うこともあります。あるいは、左側の腎臓静脈が下大静脈に合流する部位を切り離し、上腸間膜動脈と腹部大動脈の間の距離が広い下側につなぎ直す、左腎静脈転位術という手術を行うこともあります。




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